なぜ、毎日アジアビジネス研究所なのでしょうか。

インターネット時代の到来に伴い、ネット上には膨大な量の情報があふれ、情報は瞬時に世界を駆け巡ります。情報なんて、いつでもネット上で簡単に拾える、と考えてはいませんか? しかし、本当に必要な情報、機微に触れる情報の多くは、ネットで検索することなどできない、と私たちは確信しています。
むしろ、ネット上にはさまざまな憶測や偽情報が拡散、増殖し、「真相」がどんどん分からなくなっている。「ブラックボックス化」しているというのが実情です。精査に値する本当の意味での「情報」は、「現場」にこそあります。

毎日新聞は明治5年(1872年)創刊で、日本の新聞で最古の150年に迫る歴史があります。毎日新聞で受け継がれてきた良き伝統が「現場主義」への強いこだわりです。その象徴の一つが、ベトナム戦争の長期ルポ「泥と炎のインドシナ」で、1965年度の日本新聞協会賞を受賞しています。現場での泥臭い取材に徹し、ベトナムで何が起きているか、真相を隠そうとした当時の米政権の逆鱗に触れた渾身の調査報道でした。

こうした毎日新聞の伝統に立脚して設立した毎日アジアビジネス研究所は、一つの事象に対してさまざま視点からアプローチを試み、あらゆる手段で真相に迫る「情報のプロ」を擁し、アジアでの企業活動を情報の収集、分析の側面から強力にサポートします。

最初の重点国であるミャンマーに関しては、現政権を率いるアウンサンスーチー氏との間で長年にわたり信頼関係を構築してきました。スーチー氏は軍政時代、エッセイ「ビルマからの手紙」を執筆し、密かに外部世界に送り届けていましたが、これを掲載してきたのが毎日新聞でした。

2015年の民政移管以降は、当時のテインセイン大統領、さらに国軍のミンアウンフライン最高司令官とも人的ネットワークを築いてきました。政権の内部だけでなく、あらゆる場面で「人物相関」を描きつつ、「一次情報源」からの情報の直接入手にこだわるのも、「現場主義」に通じる毎日新聞の伝統です。

毎日アジアビジネス研究所はこうした資産を生かしつつ、ミャンマーなど、それぞれの国に関して内外の優れた研究者を総動員した執筆陣を抱え、企業活動を念頭に置いた情報発信を行います。アジア市場が米欧や中国、韓国など各国の草刈り場になる中、競争に勝ち抜くためにも、有用な情報を届けられるものと確信しています。