中国のドローンメーカを紹介農業分野で最新活用法など議論

 

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毎日アジアビジネス研究所は8月26日、東京都千代田区の毎日ホールでセミナー「ドローン革命と世界の最先端トレンド」を開催した。急速に普及が進むドローン(小型無人航空機)を今後、農業をはじめ産業の各分野でどのように活用すべきかを考えるセミナーで、約60人が参加した。

冒頭、ドローンの専門サイト「ドローントリビューン」の村山繁編集長(元産経新聞記者)がプロローグ解説として、中国のドローンメーカー「DJI」が世界市場を席巻している状況などを説明したうえで、「次世代のドローンは動力が大切だ。ハイブリッドエンジンの時代になる」と話した。

ドローンに搭載し長時間飛行が可能になるハイブリッドエンジンを開発した中国のメーカー「リッチェンパワー」社日本法人の孫樹鵬社長が基調報告し、中国などでのドローンの活用現場を紹介。孫社長は同社の強みとしてドローン業界において、最初に発電機の開発に着眼し、早く量産体制に移行したことを挙げた。さらに、自社製品について、「ガソリンさえ積めれば、長時間空中に滞在が可能であり、最長7時間、100㌔の海峡を渡った実績もある」と述べ、ハイブリットジェネレーターシステムの優位性をアピールした。

このシステムは、通常はジェネレーラー(発電機)で発電しその電力でドローンの全モーターを駆動する一方、突風に遭遇した場面やエンストなどで電力が足りなくなった緊急時はバッテリーから電力を補って墜落を防ぐ機能を持っている。

=写真上=は、小島正美・農研スタッフ(元毎日新聞記者)がモデレーラーを務め、小畑秀樹・農林中央金庫営業部部長、齋藤修・茨城大学

AI・ICT次世代広域応用教育研究センター副センター長兼特命教授、孫社長がパネラーとなって進行。

小畑部長は、農業の課題は高齢化としたうえで、担い手の不足から省力化・軽労化へのニーズが出てくると指摘、ドローンをはじめスマート農業(ロボット技術や情報通信技術を活用した農業)がますます重要になってくると言及した。農業分野におけるドローンの活用は水稲の農薬散布による防除や施肥が先行していると語り、「現状では価格が高く共同利用などでコストを下げることが必要だ」と強調した。ドローンの可能性について「生育診断では、人間の目の高さの横からではなく、上空といっても人工衛星やヘリコプターの高さでもなく、ドローンは人類史上で初めての高さ、作物の何センチほどの上から見ることのできるテクノロジーだ。生育診断がもう一つ上の段階に進歩する可能性がある」と述べた。

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=写真はリッチェンパワーのドローン

■AIと結びデータ分析も

齋藤教授は、ドローンが登場する近未来の風景として、2045年の世界を描いたスピルバーグの映画「Readyplayer One(レディ・プレイヤー1)」を挙げ、高性能なドローンが登場するアニメ「名探偵コナンゼロの執行人」が日本の航空法に疑問を投げつけたと話した。現在のドローンの技術はパソコンに置き換えるとWindows95 (ウィンドウズ95、マイクロソフトが1995年に出したオペレーティングシステム)の段階で無線LAN(無線通信を利用してデータの送受信を行うLANシステム)もない状況であるが、将来はドローンがAI(人工知能)と結びついてデータ分析などから農業の環境被害や防災の分析や予測が飛躍的に進歩する可能性があると指摘した。