タイで3月24日、8年ぶりとなる総選挙が投票された。5月末までには新首相が選出され、2014年のクーデター以来5年ぶりに民政移管を果たすが、新首相には現軍事政権のプラユット暫定首相が再選され、事実上の「軍政継続」となる可能性が強い。一方で「軍政反対」を訴える新党が躍進するなど、対立と混乱の火種を残したままの再出発。タイ情勢が専門の浅見靖仁・法政大法学部国際政治学科教授の見解を元に、総選挙後のタイ情勢を探った。【毎日アジアビジネス研究所・西尾英之】
5月には新首相選出へ
5月4日から6日にかけ開かれる国を挙げての一大イベント、ワチラロンコン新国王の戴冠式の準備が進
むバンコク。「戴冠式前に政局が騒がしくなるのを防ぐ」との方針で、選挙管理委員会は戴冠式直後の9
日、投票から約1カ月半を経て、大部分の議席を確定させて公表する見込み。その後、5月24日に国王が選挙結果に基づく新国会を召集。新首相の指名投票へと進む見通しだ。