dsc02245毎日アジアビジネス研究所コラムニストで日本企業(中国)研究員執行院長の陳言氏=写真=が1月25日、東京都港区のホテルで開催された「NTT DATA Innovation Conference 2019」(NTTデータ主催)に登壇し、「中国デジタル化最新トレンド」と題して講演した。(毎日アジアビジネス研究所)

本研究所コラムニスト陳言氏が指摘

陳言氏は、2000年以降の中国のイノベーションについて「米国のIT技術に触発されたイノベーションであり、アリババ、バイドゥ、テンセント、JDなどのIT企業が誕生した」と述べ、こうしたIT企業は全ての商品やサービスを販売するプラットホーム、データの活用による市場創出を目指して成功してきたと説明した。

注目すべきIT企業として、2003年に創立し子供の英語教育をする「VIPKID」をあげた。VIPKIDは中国の子供の情報を米国の教師に送付し、子供の能力に応じてオンラインで指導するシステム。4万人の同時レッスンが可能でそのデータを再利用することができる。

さらに人工知能(AI)イノベーション革命をリードする世界の50社に取り上げられた「iCarbonX」にも言及。ドイツのメルケル首相が本社のある深圳までわざわざ視察した注目企業であることを指摘し、健康管理のサポートや医療機構のためのデータサービスの提供など「データのビジネス化」に成功していると述べた。

山口副社長「不確実性をビジネス機会に」

dsc02237陳言氏が登壇した「データドリブン・エコノミーの本質を考える経済を動かす新しい原理 -Economy of Wisdom™-」をテーマとするビジネスセッションでは、NTTデータの山口重樹副社長=写真=も講演し、「データの価値は不確実性をビジネス機会に変えることだ」と強調した。