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浦東動物医療中心(ANICOM TOKYO)設立

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「上海でナンバー1の動物病院をつくり、動物も人も健やかに豊かに暮らせるようにしたい」。こうした思いで黄新立さん=写真=が上海に動物病院「浦東動物医療中心(ANICOM TOKYO)」を開設したのは2018年7月5日だった。同4月にオープニングレセプションを行い、開設の準備を進めてきた。グランドオープン(開設)には、日本のパートナーであるアニコムホールディングスの小森伸昭社長も出席した。

 

「アットホーム」な病院づくり

335671884586246556 黄さんのコンセプトは「病院らしくない病院をつくろう」。普通、病院は壁が白く、冷たい感じがする。黄さんはきれいでくつろげる空間にすることを最優先し、「アットホーム」をイメージして病院づくりを進めた。受付には硬いイスではなくソファを置いた。何よりも、動物の臭いをなくし、清潔な空間にするため、強力な換気システムを採用し、掃除を徹底した。

459870232741158231 いわゆる、日系の動物病院として、設備だけではなく、ホスピタリティを大切にすることを重視した。現在、同病院には6人の獣医師免許資格者がいると同時に、日本人常勤獣医師も医療顧問として8月から駐在し始めている。黄さんは常に「動物への愛がなければ、ここで働かなくてもいい」とのポリシーを明確にしている。医療技術の習得とともに、おもてなしの精神を体感してもらう目的で、日本への研修を計画している。

黄さんの創業のきっかけは、留学していた富山医科薬科大学大学院時代の日本人同窓生からの一本の電話だった。アニコムホールディングスに勤務する同窓生が自社の中国市場への進出にあたり、パートナーを探していると相談を持ちかけてきた。
黄さんは1986年から1992年まで富山医科薬科大学大学院(和漢薬研究所)で学び、薬学博士前期・後期課程を修了している。1993年から1994年にかけて富山県立大学生物学研究センター助手を経て、1996年から2008年まで日本の第一製薬の子会社である第一製薬(北京)有限公司で営業総監(中国全般の営業を管理する)、研修総監を務めたキャリアを持つ。退職後は人材育成の研修事業などを行ってきた。日本と関わりのある仕事をしたいと漠然と思っていた。

「笑顔」の理念に惚れて筆頭株主に

DSC02631.JPG.黄さんは同窓生の話を聞くうちに動物病院に出資し経営することに興味がわいてきた。もともと薬学専攻で人や生き物の健康に関わることに従事したいと思っていたからだ。「今の時代、動物の存在は一家族にとって大切な一員であり、その家族の幸せのためになにかをしたい」と考えるようになった。結局、アニコムホールディングスの「『涙』を減らし『笑顔』を生み出す」という理念と人並外れた使命感を持つ小森社長に惚れ込んでパートナーになることを決めた。黄さんは上海アニコム「浦東動物医療中心」の親会社である香港アニコムの株式を51%保有する筆頭株主となった。

430028221355605842 中国では動物病院の許可申請をして認可されるまで時間がかかり難しい。人口密集地などでは衛生や環境の面から設置が制限されている。そうした中、上海新都心として躍進する浦東新区の自由貿易区行政担当者は、黄さんの熱意に加え、日本のアニコムホールディングスのパートナー病院であることに理解を示し、積極的に協力してくれた。

黄さんによると、東京の動物病院は1000件以上あるが、上海は230件しかなく動物病院が不足しているうえ、医療技術、病院環境、サービスにおいて顧客に満足してもらえる動物病院が少ないという。
当面の目標は、今の病院を第1号にしてブランドをつくり、第2号、第3号に拡大していくことだ。将来的に、アニコムと協力して、動物病院から予防型動物保険、遺伝病のない動物繁殖などの事業も展開していきたいと意気込んでいる。(毎日アジアビジネス研究所・清宮克良)

■浦東動物医療中心(ANICOM TOKYO) (上海市浦東新区、黄新立董事長兼総経理)

http://www.anicom-sh.com.cn

■アニコムホールディングス(東京都新宿区、小森伸昭社長)

ペット保険などのアニコム損保を中核としたグループ企業。2000年に創業し、「涙を生まない保険会社にしたい」との経営理念を実践して動物保険や動物病院支援事業など独自のサービスを行う。

http://www.anicom.co.jp