際立つ大統領専用機の選挙利用:ワシントン 古本陽荘

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ゴーッという低いごう音があたりに鳴り響くと、集まった聴衆からは大歓声が巻き起こる。着陸したその飛行機はゆっくりと聴衆の方に近づいてくる。興奮する人々の間を縫うようにしてトランプ米大統領が登場する。

11月3日の米大統領選で再選を目指すトランプ氏の最近の選挙集会の始まり方だ。新型コロナウイルスの感染拡大により、従来のような大型ホールでの集会の開催は困難になった。そこでトランプ陣営が考えついたのが、使用頻度の低い地方空港を利用した集会だった。大型の格納庫を利用する場合もあるが、多くは野外だ。入り口でマスクをしていない支持者には、マスクが手渡されるが、必ずしも着用するわけではない。トランプ氏自身が新型コロナに感染する前は、マスク着用者はごく一部だった。さすがにトランプ氏の感染後、半分ぐらいはマスクをするようになった。大規模な集会を控えるよう市民に呼びかけている州も多い。しかし、トランプ氏は、「これは選挙集会ではなく平和的な抗議活動だ」と詭弁を弄して集会を強行している。

そして、集会を彩るようになったのが、トランプ氏を運んできた大統領専用機「エアフォース・ワン」だ。トランプ氏の登場と退場の際に注目を集めるだけではなく、集会のさなかにずっとライトアップされて、目立つように配置されている。手前には聴衆のスタンドがあるが、やや低めに設定されており、会場にいる全員から大統領専用機が常に見えるように工夫されている。現職大統領の威厳を示すためのツール以外の何物でもない。

安全保障上の重要決定をする「会議室」にもなるため大統領専用機での移動が必要という理由は理解できる。問題は費用負担だ。公務と政務がない交ぜになっている場合は、機体を管理する国防総省が政務分について、選挙陣営に請求書を回す取り決めになっている。ただ、どういう計算式になっているかは公表されていない。選挙集会を連日行えば、相当な額の請求書になるはずだ。しかし、トランプ氏が請求書通りに政府にカネを返す姿は想像できない。就任前後の納税証明書さえ、いまだに公表していないからだ。(2020年11月,北米総局