「菅直人談話」を「菅宣言」にできるか:ソウル・堀山明子

堀山顔P韓国大手新聞「中央日報」の洪錫炫(ホン・ソクヒョン)会長が理事長を務める財団が運営する「韓日ビジョンフォーラム」が10月19日、日韓間の火種となっている徴用工問題について、日韓請求権協定60周年にあたる2025年を目標に「和解プロセスに入ろう」と提案した。それまでに最高裁判決(18年10月)で日本企業が命じられた賠償金については、韓国政府が求償権を行使する特別法制定によって肩代わりし、代わりに日本政府からは植民地支配に対する謝罪や反省の立場を確認しようという内容。

同フォーラムは1年半にわたり専門家を集めた勉強会を計19回開き、理事長が提案をまとめた。発表した会合には、金振杓(キム・ジョンピョ)韓日議連会長や政財界の要人に加え、金泳三(キムヨンサム)政権で首相を務めた李洪九(イホング)氏、元外相3人、元駐日大使3人も駆けつけた。これだけ顔ぶれがそろえば重みのある提案だ。日本政府の謝罪は、2010年の菅直人首相談話を98年日韓共同宣言のように政府間合意として格上げするよう求めた。

李元首相は、民主化運動を支えた「東アジア平和会議」と「対話文化アカデミー」が10月に発表した声明にも関与した。こちらは具体的な解決案までは触れていないが、1965年体制の限界を乗り越えるため「菅談話を議論の出発点に」と言及した。文在寅(ムンジェイン)政権の支持基盤から出たので今後注目される。

二つの声明に共通して議論の土台になっているのは、植民地支配の不法性は認めなかったが、「韓国の人々の意に反して」という表現で不当な支配だと認めた菅談話だ。民主党政権の崩壊とともに、日本では忘れ去られているが、韓国では法的論争を政治外交レベルへ転換するカギとして再評価されつつある。

安倍政権は韓国が「ゴールポストを動かす国」だと非難した。自民党政権が民主党政権時代の首相談話を無視するなら、韓国から「信用できない国」と言われて反論できるのだろうか。菅首相が「カン談話」を「スガ宣言」に継承発展できるか。日本国内の議論が必要だ。(2020年11月、ソウル支局