ワクチン開発に懐疑的な米国人:ワシントン 古本陽荘

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新型コロナウイルスの感染が拡大した後、これまでに公開されてきた感染症パンデミック(世界的な大流行)に関する映画が注目を浴びた。中でも「コンテイジョン」(2011年公開)は、香港から米国にウイルスが流入する設定で、今回のパンデミックと類似点が多く、改めて見ると驚くばかりだ。

ただ、映画とは、おそらく異なる展開になりそうなのがワクチンに関する対応だ。映画では、ワクチンが開発されると人々の奪い合いとなる。ワクチン接種の順番は、誕生日による抽選とされた。

しかし、実際の米国人の意識はこれとは相当異なるようだ。CBSニュースの世論調査(9月2~4日実施)によると「可能な限り早くワクチンを接種する」と回答したのはわずか21%。最も多かったのは「様子をみてから検討する」の58%で、「ワクチンは接種しない」という慎重意見も21%あった。

CBSの7月調査でも同じ設問があったが、この際の「可能な限り早く接種」は32%で、9月調査より11ポイント多かった。新型コロナウイルスへの米政府の対応をめぐっては、11月の米大統領選で再選を目指すトランプ大統領が、行動制限よりも経済活動再開を優先し、公衆衛生当局のアドバイスを聞き入れなかったと指摘されてきた。ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏は今年2月のインタビューの内容を明かし、ウイルスの危険性をトランプ氏が十分に把握していたことが発覚した。しかし、トランプ氏は公の場では当時、「インフルエンザのようなものだ」と述べ、むしろ、ウイルスを深刻に受け止めないように呼びかけていた。

ワクチンをすぐに接種したい人が減っているのは、こうしたトランプ氏の姿勢と無関係ではないだろう。当局が許可しても、安全性が確保されたと簡単には信用できないということだ。万が一、大統領選前に「ワクチンが開発された」との発表があっても、安全性より政治日程を優先したと受け止められ、ワクチンの奪い合いにはならないだろう。

マスク着用を拒否するようにワクチン接種を拒絶する米国人も少なくないはずだ。それも考えると、ワクチン開発が成功しても、米国での新型コロナとの戦いは、なかなか終わらないかもしれない。(2020年10月、北米総局)