「リベンジ日本旅行」の可能性:上海・工藤哲

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上海の中心部の商業施設「南豊城」で8月に開かれた日本式「夏祭り」は、浴衣姿の若い女性やお面をつけた子供たちであふれていた。人出の多さは、コロナウイルス発生前に戻ったようだ。「日本熱」が改めて伝わってきた。

日中の往来は不便なままだが、中国人の親日度は衰えていない。中国からの訪日旅行マーケティングを手がける「行楽」(袁静CEO)によれば、はやりの店の様子を中国にインターネットで発信すると「恋しい!」といった反応が多く寄せられる。多くの人は悔しさを▽ドラマや番組をネットで見る▽輸入品を買う▽美しい写真を見る――などで解消している。聞き取り調査の結果、8割以上が海外旅行解禁後の旅行先として「日本」を挙げた。

米中関係の悪化や米国の感染拡大などで「欧米に行くのは避けたい」と考える中国人が増えている。「中国人に対して友好的で、安心して旅行ができるか」を最も重視している。政治関係が民間の往来にも連動しているのが実情だ。

コロナの影響で、中国人の考え方は大きく変わった。衛生意識が高まり、人混みを避けると同時に、「ネット動画で楽しむ旅行」「ドライブ」「近場のツーリズム」「人の少ない田舎や野外でのぜいたくな旅行(ワイルド・デラックス)」の四つが今後のキーワードになる、と袁さんはみる。

また中国人の日本への関心は「衛生対策」「キャンセル可能な旅行ができるか」「人混みを避けられ、人数制限ができるのか」「取得したマルチビザは失効するのか」といった点だ。同時に日本の対策を「厳しくない」と感じる人も多い。

袁さんは「長い間日本に行けなかった分、『リベンジ』の波が起き得る。解禁後最初に訪れる中国人がKOC(キー・オピニオン・コンシューマー=中国世論に影響を与える消費者)になっていく。こうした人が日本でどういう印象を持つかがとても重要になる」と指摘する。

日本世論の中国に対するイメージはなかなか改善しない。ただ、中国人旅行者が日本経済の活力の一部になってきたのも事実だ。「リベンジ日本旅行」の動向や需要を冷静に分析し、新たな知恵や工夫が生み出せるかが問われそうだ。(2020年10月、上海支局

日本式の夏祭りイベントで記念撮影する人たち=上海市の商業施設「南豊城」前で2020年8月16日、工藤哲撮影