新たな「ホットスポット」:ロサンゼルス 福永方人

だが、州が5月8日から外出禁止令を緩和し、段階的に経済活動を再開させると、6月下旬から感染者が急増。ウイルス検査数が増加したこともあり、7月以降は1日当たりの新規感染者数がたびたび1万人を超え、最多記録の更新が続いた。州は慌てて7月13日にレストランの屋内飲食やバー、理美容室などの営業停止を再び命じたが、感染拡大に歯止めがかからない。ロサンゼルスで美容室を経営する男性(35 )は「政府の失業手当だけでは持たない。この状況がいつまで続くのか」とため息をつく。
州人口の約4割を占める中南米系の感染率が特に高いが、在宅勤務ができない現場仕事に就き、大人数で密集して暮らす人が多いため、どうしても感染が広がりやすい。一方、保守派を中心にマスク着用を拒む人がいるほか、若者らが禁止されている大規模なホームパーティーを開く例も相次ぎ、当局は対応に苦慮している。
カリフォルニア州に先駆けて経済再開に踏み切った南部のフロリダ州やテキサス州も感染者が急増し、新たな「ホットスポット」になっている。人々の生活様式の変化と経済活動の両立が求められるコロナ対策は本当に難しい。(2020年9月、ロサンゼルス支局)

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