オスカーにつながった映画人気 ソウル・渋江千春

a]çt@–{ŽÐˆõ@ƒƒEƒ‹Žx‹Ç@m‹LŽÒ‚̖ځn2月10日、韓国は明るいニュースに沸いた。ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」が、アカデミー賞で最高峰の作品賞や監督賞など最多の4冠に輝いたのだ。

ネット上では「歴史の始まりだ。誇らしい」「米国に住む韓国人として、とても幸せだ。涙が出る」などと祝福の声が相次ぎ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「国民に自負心と勇気を与えてくれたことに、特に感謝申し上げる」と祝電を送った。韓国での公開は昨年5月だったが、受賞を機に再び人気が沸騰。白黒版の公開が2月末に決まり、映画に登場した「チャパグリ」と呼ばれる2種類のインスタント麺を混ぜて作る料理に注目が集まった。このほかにも、撮影に使われたロケ地が人気スポットになるなど、関連ニュースがあふれた。

一見お祭り騒ぎに見えるが、韓国ではもともと映画人気が根強い。値上がりはしているが、割引なしの週末でも1万2000ウォン(約1100円)程度で、日本の半額近い。携帯電話会社が一定額以上の利用で無料チケットを提供するほか、割引サービスも多い。韓国映画振興委員会によると、2018年の劇場観客数は2億1639万人。国民1人あたりの劇場での年間鑑賞本数が4本を超える計算だ。

朴恵卿(パク・ヘギョン)さん(46)も夫と一緒に映画館で「パラサイト」を見た。「息子が受験生だから最近は回数が少し減ったが、以前は1年間に5~ 6回は家族で映画館に行っていた」という。よほど公開直後の人気作でない限り、事前に予約しなくてもチケットが残っていることが多く、思い立った時に気軽に楽しめるレジャーとして定着しているのだ。

一方、18年の日本の観客数は1億6921万人に過ぎない。日本では映画館に足を運ばなかった私も、韓国に赴任してからは行く頻度が上がった。特派員としては、勉強にもなる社会派映画が多いのもうれしい。ポン・ジュノ監督はアカデミー賞で脚本賞を受賞した後、「国家を代表してシナリオを書いた訳ではないが、この賞は韓国に対する最初のオスカー賞」とスピーチした。映画人気を支える韓国国民が、誇らしく思うのも十分理解できる。今回の快挙を祝福しながら、実のところは、ちょっぴりうらやましいのが本音だ。(2020年3月 ソウル支局)