国王を見られなかった船上パレード:バンコク 高木加奈

 

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バンコクのタイ王宮周辺で12月12日、ワチラロンコン国王の即位を祝う伝統の御座船パレードが行われ、約4万人が見守った。最近では2012年11月の前国王の85歳の誕生日祝いで開催されて以来で、新国王の即位を祝う一連の行事の締めくくりだった。当初は10月24日の予定だったが、川の状況を考慮して延期されていた。

バンコクの毎日新聞助手のタイ人女性は長年、毎日新聞に勤めるベテランで「これまで2度、取材に行った」と言い、支局でテレビ中継を見ていた方が、全体がわかると勧められた。ただ、めったにない機会だ。「行ってみる」と言うと、同行してくれた。

開始3時間前には支局を出発しようと言われたが、別の原稿を書いていて遅れ、王宮周辺に着いたのは開始直前だった。入口のセキュリティーチェックで並び、パスポートを見せて観覧席に入れたのは午後4時を過ぎていた。パレードの開始も遅れていた。王室への敬意を示す黄色い服を着た人が多かったが、違う色の服の人も目立った。

船上パレードはチャオプラヤ川沿いの3・4キロ。約2300人の海軍軍人がこぎ手となり、王室御座船を含む約50艘の儀式船が通過した。私たちはパレードのコースのかなり端の方にいたようで、国王夫妻の御座船は前を通過せず、遠くに見えただけで終わってしまった。観覧席の周りの人たちは、船歌に合わせて船をこぐ軍人や、きらびやかな寺院の前を通過する船の姿を撮影していた。

続いて、国王が王宮周辺をパレードした。私たちも川沿いの観覧席を離れ、王宮前の大通りの前で待った。警備員が「カメラのフラッシュは使用しないように。帽子やサングラスを外すように」と呼びかける中、着座してしばらく待った後、警備の車に続き、国王夫妻が乗っている黄色い車が猛スピードで通過していった。

助手は「乗船する国王を見られず、これまでで一番残念だった」と話していた。翌日の英字紙「バンコク・ポスト」には、「タイ国旗を振る人々によって『Long Live the King(国王万歳)』の三唱が起きた」とあった。金色の衣装をまとい、輿に乗って王宮周辺をパレードする国王の写真も載っていた。(2020年1月 アジア総局)