日韓の誤解:ソウル 渋江千春

a]çt@–{ŽÐˆõ@ƒƒEƒ‹Žx‹Ç@m‹LŽÒ‚̖ځn最近、何度か韓国の友人、知人と話題になったことがある。今年10月、東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号の際、「辛ラーメン」が売れ残った話だ。

「辛ラーメン」は韓国の大手食品メーカー、農心を代表するインスタントラーメンだ。スーパーなどで空になった棚に、辛ラーメンだけがぽつんと残された写真が、ツイッターなどで拡散した。折しも韓国では、日本の韓国に対する輸出規制強化措置に端を発した不買運動が尾を引いていた。「辛ラーメン」の不買運動ではないか、という指摘だ。

私はもともと辛いもの好きで、辛さに強い自負もある。ところが、「辛いものは苦手」と話す韓国人の友人と何度か食事するうち、私より辛さに強いことに気付いた。日韓では唐辛子の辛さに対する基準自体が違うのだ。

「辛ラーメンは辛くて食べられない人が相当いる」「災害時に、水をたくさん飲むことになる食べ物は避けられる」と説明すると、皆はっとした顔をして納得してくれた。

外国とは思えないほど、近くて類似点も多い日韓では、相手も当然同じと思い込むことで生じる誤解が後を絶たない。漢字文化圏で、文法も似通っている日本語と韓国語の翻訳でも同様だ。今年8月、文在寅(ムンジェイン)大統領が日本批判の文脈で使った四字熟語「賊反荷杖(ジョクパンハジャン)」が「盗っ人たけだけしい」と訳され、日本側で反発を招いた。泥棒が罪もない人にむちをふるうという意味だが、実際は口げんか程度でもよく使われる表現だ。外相だった河野太郎防衛相が、韓国の文喜相(ミンヒサン)国会議長を「韓日議員連盟の会長まで務めた人間」と指摘した際も誤解が広まった。「サラム(人)」ではなく、韓国語で侮辱的なニュアンスを含む「インガン(人間)」と訳され、問題視された。

生じた誤解を解くには、丁寧に説明することが一番だ。ただ、最近はSNS を通じて誤解が急速に広まる。誤解を解くスピードが追いつかないもどかしさを感じつつ、あきらめてはだめだと自らを奮い立たせている。(2020年1月 ソウル支局)