香港デモを支援する台湾の教会 台北・福岡静哉

•Ÿ‰ªÃÆ@–{ŽÐˆõ@­Ž¡•”@m‹LŽÒ‚̖ځn台北市の行政院(国会)そばにあるキリスト教の教会「済南教会」の礼拝堂は日本統治時代の1916年に建造された。赤レンガでつくられたゴシック様式の建物で、市定古跡に指定されている。香港で続く抗議デモにここから物資が送られているとの話を耳にして取材に訪れると、黄春生牧師(53)が柔和な笑顔で出迎えてくれた。

済南教会は、台湾独立志向がある民進党の支持母体の一つとされる「長老派教会」に属する。6月、香港で警官隊が催涙弾を放ち、警棒でデモ隊を殴る様子が台湾でも報じられた。香港の牧師からは「若者たちは遺書を携えてデモをしている」と聞いた。

「極めて深刻な状況であり、人道的な問題だ。私たちにできることはないだろうか」。長老派教会に属する他地域の牧師らと話し合い、7月から教会や市民団体などを通じて催涙弾対策の防毒マスクやヘルメットなどを送り始めた。

複数の香港メディアによるとデモの本格化以降、中国本土から香港にデモ関連の物資を送ることが禁じられたという。警察は民家や商店の周辺で催涙ガスを撃つこともあるため、一般市民も防毒マスクを求めており、香港では常に物資が不足していた。済南教会の運動は口コミで広がり、香港市民が直接、教会を訪れるようになった。代金を払おうとする人にも無償で物資を手渡している。

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香港に送る物資を手にする黄春生牧師=台北市中正区で2019年10月28
日、福岡静哉撮影

黄牧師が教会奥の倉庫に案内してくれた。ヘルメットや防毒マスクなどの物資が山積みになっている。南部や中部の教会にも協力を呼び掛けて集めているという。

中国共産党中央政法委員会は10月2日、中国版ツイッター「微信」の公式アプリで、香港のデモ隊には「外国の勢力が関与している」と指摘。前線で使われる火炎瓶や各種装備などを支援する組織があると名指しで指摘し、「台湾の教会」も含まれていた。

黄牧師はこう反論する。「私たちが提供しているのは防御用の装備だけで、武器類は一切、送っていません。中国政府は『香港は内政問題であり、口出しするな』とよく主張します。しかし、苦しんでいる人を助けようとする行為を批判するのは、とてもおかしなことだと私は思います。これからも、必要な物資を送り続けたい」(台北支局 2019年12月)

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市定古跡に指定されている「済南教会」=台北市中正区で2019年11月5
日、福岡静哉撮影