広がる米大統領のFOX ニュース支配 ワシントン・古本陽荘

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「どんなに分裂した国家であっても、事実が勝り、真実が重んじられる。そしてジャーナリズムが機能することを願っている」。米FOXニュースの看板アンカーマンだったシェパード・スミス氏が10月11日に番組で突然、降板する意向を表明した。

直後に放送された番組の司会者やホワイトハウス担当記者が驚いた表情を見せていたことから関係者の多くが知らなかったとみられる。

米国のケーブルニュースの分断ぶりは深刻だ。日本のケーブルテレビの基本パッケージに含まれているCNNインターナショナルと、米国版CNNはほぼ別物だ。報道番組というよりは、看板キャスターが自分の意見を披露するオピニオン番組の時間が長い。近年、CNNは左傾化し、リベラル派の代表的なチャンネルとみられるようになった。その対局にあるのが保守系のFOXニュースだ。

どちらも偏っているとの批判がある一方、米国の記者からは「FOX には何人か健全なジャーナリストがいてバランスを取っている」という声をしばしば耳にしていた。その時に名前が挙がるのが、スミス氏やクリス・ウォレス氏というベテランだった。

スミス氏の辞任劇の背景には、トランプ大統領の姿がちらつく。辞任表明の後、トランプ氏は「視聴率が低いからやめたのか」などとスミス氏に冷ややかな姿勢を示した。

トランプ氏はかなりの頻度でFOX番組を視聴していると言われる。生中継中に自ら番組に電話して出演することもある。自らに近いショーン・ハニティー氏、ローラ・イングラハム氏らについては、選挙集会で名前を挙げ、番組の宣伝を買って出る。一方で、バイデン前副大統領の捜査をするようウクライナに圧力を掛けた疑惑を問題視するような記者はツイッターで批判を繰り返してきた。

ピュー・リサーチ・センターによると、2016年にトランプ氏に投票した人のうち40%がFOXニュースを「主な情報源」と回答。FOXの論調をコントロールすることが再選に直結すると考えているようだ。一方、大統領を擁護するハニティ氏らの番組はかなりの高視聴率だ。ただ、もはやニュース・チャンネルと名乗っていいかは、はなはだ疑問だ。(北米総局 2019年11月)