「非暴力」のデモ貫く 台北・福岡静哉

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香港で拘束した容疑者を中国当局に引き渡すことを可能とする「逃亡犯条例」改正案への反対デモで、運動をリードしてきた民主派団体の一つが「民間人権陣線」(CHRF)だ。CHRFが主催した6月9日の「103万人」デモや同16日の「200万人」デモは同改正案を撤回に追い込む原動力となった。

CHRFは市民運動の力を結集するため、多数の民主派団体や政党などが参加して2002年、創設された。03年以降、香港が中国に返還された7月1日に毎年、大規模デモを主催。15年現在、48団体が所属する。9月初旬、岑子杰代表(32)にインタビューした。

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インタビューに応じる「民間人権陣線」の岑子杰代表=香港で201
9年9月3日、福岡静哉撮影

香港当局はCHRFが8月31日に計画したデモを不許可とした。行進だけでなく集会まで禁止する異例の措置だった。平和的なデモ行進の終了後、一部の若者らと警官隊の衝突が起きていることを理由とした。岑氏は「行進だけでなく集会まで禁止されるのは初めて。市民を恐れさせ運動を収束させる狙いだ。平和的なデモや集会の自由まで奪うのは間違っている」と警察を批判する。CHRFはデモの「中止」を表明したが、警察の措置に反発した大勢の市民がデモ行進し、運動の勢いを見せつけた。

相次ぐデモを受け、香港政府トップの林鄭月娥行政長官は9月4日、逃亡犯条例改正案を完全撤回すると表明した。だが市民は、警察の暴力的な取り締まりの是非を検証する独立調査委員会の設置や、民主的な選挙制度などの要求を掲げ、抗議運動を続けている。CHRFもこれに呼応してデモ継続を表明した。

ただ運動の激化に伴い、岑氏は身の危険を感じることが増えた。8月29日には飲食店で友人と食事中に2人組の男に突然、バットや鉄の棒で襲われた。岑氏は無事だったが、友人が腕などを負傷した。岑氏は「デモ反対勢力が運動をやめろと暴力で脅迫したつもりだろう。でも私たちは決して屈しない」と強調した。

一部の若者らは過激化し、警察との衝突を繰り返すが、CHRFは「非暴力」を徹底する。岑氏は「CHRFの役割は、家族連れやお年寄りなど幅広い市民に、デモに参加する機会を提供し続けること。そのために平和的で合法的なデモを今後も開催していきたい」と力を込めた。(台北支局 2019年10月)