上海には来たけれど 上海・工藤哲

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上海日本総領事館の職員の間で「増えるかもしれない」とよく話題に上る懸案がある。「高齢の日本人が引き起こすトラブル」だ。せっかく上海に来たのに、思わぬ事態が続いているという。

いずれも今年起きた70代男性のケースだ。
①妻と団体旅行の自由行動中だったが、一人で違うバスに乗り込んでしまい行方不明に。浙江省寧波で無事発見されたが、旅券やカメラなどの所持品を紛失。男性は認知症が予想以上に進んでいた疑いも
②出張中にバッグに入れた旅券を紛失し、同行者の不手際と思い込む。旅券紛失や出国の手続きを終えた後、ホテルの自室の荷物から旅券が見つかる
③日本で困窮状態だったが、友人の支援で片道の航空チケットを買い、ビジネス目的で訪中したが実現せず。再び友人の支援を受けて帰国した。中国で仕事をした経験があり「中国に戻れば何とかなる」と思い込んだ。家族とは疎遠な状態で、職員の対応は難航した

「日本社会の高齢化を反映しているせいか、最近目につき始めた」と担当職員は懸念する。

シニア層に限らず、わずかな気の緩みがトラブルを招くリスクはある。マッサージに誘われて雑居ビルに連れて行かれ、3万元(約45万円)近い額を脅し取られることもある「ぼったくり」が後を絶たない。また上海の公安当局者が「日本人に比較的多い」と懸念しているのが「飲酒のトラブル」だ。酔った中国人から「なぜ日本人がこんな所に?」などとからかわれ口論になり、傷害に至った例もある。物の破壊や無銭飲食による拘留も確認されている。

筆者が最近気になっているのが「交差点での警官パトロールの増加」だ。歩行者の信号無視が確認されると警官がスマートフォンで違反者を記録し、その後罰金を請求されることもある。

特派員の目P
信号無視などの歩行者の違反行為を監視する警察官=上海市内で2019年7月26日、工藤哲撮影

普段道路を歩けば、食事の配達員が運転するバイクの飛び出しや、散歩で飼い主と歩く大型犬、周囲の動きに気づかない歩きスマホの若者とすれ違う。

監視カメラが至る場所に設置され、上海で大きなテロや事故が報じられることは近年まれだ。だが在住者はもちろん、不慣れな出張者や旅行者は特に「小さな危険」への目配りが必要だ。(上海支局 2019年10月)