大根やネギで合格祈願 台北・福岡静哉

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台湾では新学年が9月から始まるため、大学受験は夏にクライマックスを迎える。日本と同様、競争は激しい。初夏、台北市にある道教の寺院「文昌宮」を訪れると、試験を控えた合格祈願をする受験生や保護者であふれていた。

文昌宮のご神体「文昌帝君」は中国で学問の神として知られ、台湾では「受験の神様」として最も有名だ。日本の受験生が菅原道真をまつる太宰府天満宮(福岡県)や北野天満宮(京都市)で合格祈願をするのと似ている。受験生たちは、衣服を折りたたんで神前に供えていた。受験時に着る「勝負服」だ。

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大根やミネラルウオーター、セロリなどの縁起物を供え、道教の寺
院「文昌宮」で神様に合格祈願をする人たち
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昌宮のご神体「文昌帝君」は台湾で「受験の神様」として最も有
名だ

 

祈願式が終わると持ち帰る。「受験会場は戦場のようなもの。衣服を前に祈ることで、神様のご加護を得られます」。文昌宮の管理委員会委員、白廖哲さん(58)が解説してくれた。受験票のコピーも持参し、神前に供える。台北科技大を受験する内湖工業高校3年、方柏凱さん(18)は「台湾で一番有名な受験の神様だからきっと力を与えてもらえると思う」と話した。

神前には受験票のコピーや勝負服と共に大根やミネラルウオーター、ちまき、ネギ、セロリが備えられている。いずれも台湾語や中国語の語呂合わせから縁起が良いとされている。例えば大根は台湾語で「菜頭」(ツァイトウ)といい、「彩頭」(幸先がよい)と同音異義語。セロリは中国語で「芹」(チン)といい、「勤」(チン)と同音だ。ネギも中国語の「葱」(ツォン)が「聡」(ツォン)と同音のため験担ぎに使われる。文昌宮前の道路には、こうした縁起物を売る露店が所狭しと並ぶ。

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受験票のコピーを手にする受験生の方柏凱さん

高校生たちの様子も知りたくて、台北市の師範大付属高校を取材に訪れた。同校は、台湾の最難関校とされる台湾大への進学実績でトップ3に入る。教室の廊下の隅にはプラスチック、紙パック、ガラスなど種類別に分類するためのゴミ箱が置かれ、こんな紙が張られている。「紙パックを分別して捨てない人は浪人」。「きちんとゴミ分別ができる人は『台清交』に進学」。「台清交」とは、台湾で難関とされる台湾大、清華大、交通大を指す。校内の掲示板には、各クラスで成績トップの生徒が顔写真つきで張り出されていた。受験一色の生活を送る姿が、日本の高校生と重なってみえた。(台北支局 2019年9月)