香港に活路をみいだす九州の農業 台北・福岡静哉

•Ÿ‰ªÃÆ@–{ŽÐˆõ@­Ž¡•”@m‹LŽÒ‚̖ځn日本からの農産物輸出先が世界1位の香港で、九州産の農産物に特化したレストランの出店が相次いでいる。アジアの食の中心地・香港で県産食材や文化、観光などをPRする「ショーケース」としての役割が期待されている。

香港は食品輸入の規制が少なく、日本ブランドの人気が高いことなどから、日本からの農産物輸出額が2018年まで13年連続で世界1位となっている。平均所得が高く欧米人も多く住むほか、年間5000万人以上の観光客が中国本土から訪れる。

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「天草大王」の手羽先や阿蘇の天然水で浸したサラダなど熊本特産の農産
物だけを使ったメニュー

香港の繁華街にあるのは熊本県産食材に特化した和食店「櫓杏(ろあん)」。肥後銀行などが出資し17年春にオープンした。店内は102席あり内装は熊本城内をイメージ。熊本地鶏「天草大王」の手羽先▽菊池産「水田ゴボウ」や上天草市のタマネギなどを使い、阿蘇の天然水で浸したサラダ▽南関あげを使った名物「だご汁」などメニューは多彩だ。福岡空港から空輸するため東京と同レベルの鮮度で提供できる。店内には県産の農産物や陶器などを販売するコーナーも設けた。上天草市出身の園田聖総料理長(35)は「付加価値の高い農産物を仕入れてこの店で提供することで雇用が生まれ、若者が古里に戻る好循環を作りたい」と意気込む。

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「櫓杏」店内に設置された販売所では、熊本の産地直産の農産物を購入で
きる

香港の一等地タイムズスクエアには佐賀県産の食材に特化した和食店「佐楽(さら)」が6月6日、新装オープンした。佐賀銀行が出資し、料理長は福岡市のミシュラン一つ星料亭「しらに田」で活躍してきた冨田耕平氏(38)。玄海灘でとれた魚介類▽佐賀産の有機野菜▽佐賀牛やみつせ鶏の炭火焼きなどのほか、県内すべての蔵元の日本酒も取りそろえた。料理は有田焼の器に盛りつけ、カウンターにも有田焼の大皿や器などが展示されている。佐賀県に住んだことがある冨田料理長は「おいしい料理を香港人に食べてもらい、佐賀の知名度アップにつなげたい」と意気込んでいる。

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リニューアルオープンした「佐楽」

香港は家賃や人件費が高いが、いずれの店も黒字経営という。店内には名所を映像でPRする大型スクリーンも設置されている。県産品の知名度アップと消費拡大を図るだけでなく、九州の魅力を知った外国人が観光で訪れる効果も期待できそうだ。(台北支局、2019年7月)