未解決事件解決の背景 ワシントン・古本陽荘

ŒÃ–{—z‘‘@–{ŽÐˆõ@­Ž¡•”@m‹LŽÒ‚̖ځn

米国で頻繁に目にするテレビCMで、自分の祖先について調べるサイトの紹介が前から気になっていた。DNA情報を会社に提供し、自分の祖先が世界のどの地域の出身かを調べることができるという。移民国家・米国ならではのビジネスなのかもしれない。例えば、ある人の遺伝子は、マリが46%、アイルランド&スコットランドが23%という具合に、どこにルーツがあるか知ることができる。自分の祖先は欧州出身と思っていたのに、中南米にもルーツがあることが分かるなど、いろいろドラマがあるようだ。今なら「父の日」の割引キャンペーンをやっていて、59ドル(約6400円)で調査が可能だ。

昨年来、米国では長年、未解決だった事件が次々と解決しているが、それがこのサイトと関係していると聞いて驚いた。遺伝子学者が、捜査に協力するようになり、容疑者の遺留物のDNAから、容疑者の親戚を割り出す技術が確立されたためだという。

昨年4月には「ゴールデン・ステート・キラー」というあだ名の連続殺人犯がカリフォルニア州で逮捕された。1970年代から80年代にかけ、少なくとも13人を殺害している。その翌月には、カナダの若いカップルを87年に殺害した容疑者がワシントン州で捕まった。両事件とも祖先追跡サイトの莫大なDNA情報から浮上した。

従来のDNA捜査は、容疑者本人との合致が前提だった。新しい方法では、遺伝子情報から容疑者の
親戚と考えられる人たちを探し出す。複数の親戚が見つかると、容疑者の可能性のある人物が絞られて
くる。そこから警察も捜査に乗り出し、住所や犯罪歴などの情報も重ねていく。こうして容疑者にたどり着くことが実際に起きるようになった。

もともとは、幼少期に誘拐されるなどして、自分がどこの誰だか分からない人の生い立ちを調査することから始まった。それが技術的に可能だと分かり、捜査当局が協力を要請するようになった。

捜査はこんな感じで進む。ある日突然、警察からが電話がかかってくる。「あなたの近い親戚に殺人事件の容疑者がいます。特定のためにあなたのDNAを提供してください」。協力するのはやぶさかではないが、なんだか気持ち悪い。(北米総局、2019年7月)