キンパの行く末 ソウル・渋江千春

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ソウルでも地元のアマチュア合唱団で趣味の合唱を続けている。練習は週に1回、平日の夜だ。団員は会社員が多く、皆仕事を早く切り上げ三々五々集まってくる。練習が始まる前に、団員が持ち回りで準備するキンパ(韓国ののり巻き)を食べながら、談笑するのがおきまりのパターンだ。

先日、指揮者が指導する別の合唱団の演奏会を一部の団員で聞きに行った。終わった後、一緒に夕食を食べ、2次会でカフェに入った。コーヒー片手にケーキを食べながら話題になったのが、このキンパについてだった。

合唱団は1996年創立。当初は、キンパではなくお菓子が準備される程度だったという。誰かがキンパを提供したところ好評で、キンパがじょじょに定着していったらしい。今では大半の団員がキンパを準備するが、年に数回、ピザが提供されることもあり、そんな時は団員が歓声を上げる。

高くはないキンパでも、約60人の団員分を準備すれば団費からの6万ウォン(約5500円)の補助を使っても1万円くらいの出費になる。年に1回も回ってこないが、以前から続けるべきか、議論はたびたび出ていた。

数年前、年間計画などを話し合う会議でも、約2時間のうち約1時間が、キンパに費やされたという。賛否両論出たあげく、結局キンパの提供は今でも続いている。

この日、カフェにいた11人も意見は半々。「食べない人もいる。食べたい人が好きなものを各自準備
すればいい」「団費がもったいない」と廃止派から意見が出れば、「キンパを食べながら談笑する時間
で、親睦が図れている」「おなかを空かせていては、練習に支障が出る」と継続を支持する意見も出て、
結局打ち切るまで数十分は議論が続いた。

キンパを巡ってこれだけ白熱した議論が繰り広げられること自体が、食を大切にする韓国人らしくてほほえましい。韓国では最近こそ、一人で食事する姿も珍しくなくなっているが、誰かとご飯を一緒に食べながら親睦を図る機会が日本よりもはるかに多い。キンパの行く末も気になるが、食を通じた親睦文化はなくならないでほしいと願っている。(ソウル支局、2019年7月)