シカゴ市長選の異変は何を意味するか ワシントン・古本陽荘

ŒÃ–{—z‘‘@–{ŽÐˆõ@­Ž¡•”@m‹LŽÒ‚̖ځn

4月2日にあった米中西部最大の都市・シカゴの市長選で異変があった。当選したのは民主党のロリ・ライトフット氏(56)。同市初の黒人女性の市長として5月20日に就任する。政治家としての経験はない。しかも、ゲイであることを公言してきた。

もともとは弁護士で、連邦検事に転向した。公職としては、検事職のほか、シカゴの警察委員会(公安委員会に相当)の委員長などの経験があり、行政と接点がなかった訳ではない。ただ、現在の市長のエマニュエル氏は、連邦下院議員を経て、オバマ前政権のホワイトハウスで首席補佐官を務め、大統領に次ぐ権力者とみられていた人物。後釜としては、かなり異色だ。

シカゴ市長選は2月26日に投開票された。過去最多の14人が立候補を届け出て、過半数を上回る候補者がいなかったため、上位2人による決選投票となった。2月の一回目の投票で17・5%の得票率でトップに立ったのがライトフット氏だった。地元紙シカゴ・サンタイムズは「どんな基準に照らし合わせても驚くべき躍進」と結果が想定外だったことを衝撃的に報じた。この選挙には、エマニュエル氏の後任として大統領首席補佐官も務め、商務長官の経験もあるビル・デイリー氏(70)も立候補していたが得票は3番目だった。

決選投票の相手は同じく黒人女性で民主党のトニ・プレックウィンクル氏(72)。シカゴ市議会議員を経て、シカゴを含む行政区であるクック郡の郡長のポストにあったが結果はライトフット氏が73%を超える得票率で圧勝した。

「すべての人に繁栄した、より公正な社会を」と訴えたライトフット氏は、治安改善を公約に掲げた。財政もひっ迫しており課題は山積している。

政治経験の全くなかったトランプ氏が大統領に就任したのと同じで「経験よりも変化」を目指す民意があったのは間違いなさそうだ。候補者が乱立したのは現在の民主党の大統領候補者選びと重なる。経験豊富な政治家より、改革や変化を求める傾向が続くなら、勝ち残るのは意外な候補者かもしれない。ゲイであることや黒人女性であることがハンデキャップだと決めつけるのもやめた方がよさそうだ。(北米総局 2019年5月)