西本智実さんと中国 上海・工藤哲

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上海市浦東新区にある東方芸術中心のクラシック音楽ホール。ここを満員にした日本人女性指揮者が「イルミナートフィルハーモニーオーケストラ」を率いる西本智実さんだ。昨年末、ドボルザーク「新世界より」が多くの中国人を引きつけた。

上海から700キロ近く離れた山東省済南市から高速鉄道で来たという音楽教師の女性、宋さんは「素晴らしい。最前列で1000元(約1万6500円)以上したチケットも高くない」と興奮気味だ。

西本さんは、中国国家交響楽団から「最も魅力的な指揮者の一人」と評される。中国側の招きで北京などで連続公演し、2カ所目が上海だった。

公演前に話を聞いた。

2010年から香港を含め中国で4回指揮したが、中国側から特に「熱」を感じ始めたのは6、7年前からだ。世界各地で指揮をする中で、ホールに中国人の姿が増えていることに気づいた。しばらくして「ぜひお呼びしたい」と中国側からのオファーがいくつか届くようになった。「ニューヨークのカーネギーホールなどで公演した時に留学中の若い中国の方もたくさん来ていたようです。その人たちが本国で重要な仕事をし始めていることも中国公演との縁に関係しているかもしれません」。

中国のインターネットでは「かっこいい」といった言葉が並ぶ。著名な若手女性指揮者が少ないことも人気を集める理由のようだ。「中国の人は私の動画やインタビュー記事をよく見ているようです。きれいな日本語つきのイラストも渡されました」と驚く。ロシアで音楽を学んだ西本さんは「中国の演奏家はロシア系の教育を受けた方が多く表現が近い。間の感覚もわかり合える感じです」という。

「日本のマーケットが縮小する中、クラシック音楽は中国でますます発展するでしょう。世界の楽団員の半分はいずれ中国人になるのかもしれません」。西本さんはそう見通す。既に次回のオファーが届き「オーケストラと中国の民族楽器の二胡の音は合いそうなので挑戦してみたいですね」と意気込んだ。

「優れたもの」を追い求め続ける中国人にとって、西本さんがまとめる音は新鮮に響いている。中国の「クラシック熱」は高まるばかりだ。(上海支局 2019年4月)

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公演前に中国メディアの取材に応じる指揮者の西本智実さん(右)=2018年12月25日、上海東方芸術中心で工藤哲撮影