北朝鮮の今後 ソウル・渋江千春

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2月末、2回目の米朝首脳会談のため、ベトナム入りした。予想外に合意なしで終わった翌日の3月1日。ベトナムの大統領宮殿に、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が会談後初めて姿を見せた。

出迎えるグエン・フー・チョン共産党書記長兼国家主席らベトナム側と握手するたびに笑顔を浮かべるものの、終始不機嫌そうな表情が印象的だった。北朝鮮の最高指導者のベトナム訪問は、1964年、金正恩委員長の祖父である金日成主席以来55年ぶりだ。金委員長は公式訪問をこなしたものの、予定を繰り上げて2日午前にハノイを離れた。1回目の米朝首脳会談時のシンガポールとは違い、自ら現地に赴いての視察はなかった。

一方、米朝首脳会談の裏で金委員長の側近は精力的に視察をこなしていた。2月27日には世界遺産「ハロン湾」を訪れ、外資系企業が集まる港湾都市ハイフォンでベトナム初の完成車メーカー「ビンファスト」の工場を見学、28日にはベトナム通信大手「ベトテル」も訪問した。この動静の一部は、北朝鮮メディアで3月6日にようやく報じられた。真相は分からないが、米朝首脳会談の結果を受けて視察をどう報じるか悩んだのではないかという印象を受けた。

金委員長が視察に出なかったのは、単に気分を害しただけでなく、経済制裁が維持される以上、今視察しても意味がないと判断したのかもしれない。ただ、社会主義国でありながら、米国との敵対関係を解消し、「ドイモイ(刷新)」政策で経済発展を続けるベトナムの現状は、シンガポールよりも参考になるはずだった。

今回、とりあえず視察を後回しにしたのだとしても、北朝鮮が非核化への道のりをあきらめたとは考えたくない。北朝鮮にとって2020年は「国家経済発展5カ年戦略」の総仕上げの年だ。数値目標が公表されていないので成果がなくても「達成」と表明することはできるが、実質的な経済発展のためには、制裁の解除が不可欠だ。一方の米国は2020年11月に大統領選挙を控える。難しいと思うが、もう一度、両首脳の「良好な関係」が活かされる機会があることを期待している。そして、その前に北朝鮮の瀬戸際外交が復活しないことを祈るばかりだ。(ソウル支局 2019年4月)