コンビニ激戦地 上海・工藤哲

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上海の街を歩いて目に留まるのはコンビニエンスストアの看板だ。「好徳」といったローカル系とともに「羅森(ローソン)」 「全家(ファミリーマート)」などの日系も。自宅最寄りの地下鉄構内には3店。至る所が「コンビニ激戦地」になっている。

だが日本とちょっと違う。店のスペースの広さがまちまちだ。品数もやや少ない。店員の後ろで豆乳が温められていたり、レジ横に10種類以上の肉まんなどが並んでいたりしているところが中国らしい。

実際何が違うのだろう。上海のローソン幹部に聞いてみた。

1996年に上海で1号店を開業。独自商品の研究とともに、店内を清潔にして照明を明るくし、他の店との差別化を図って売り上げを伸ばしてきた。

1月には中国で2000店に達し、上海周辺だけでも既に1200店を超えた。幹部は「日本式にとらわれず、中国人のニーズに合わせた独自のサービスで売り上げはまだまだ伸ばせる」と意気込む。

上海市浦東新区のコンビニエンスストア「ローソン」店長、莫臨春さん=2018年10月19日、工藤哲撮影
上海市浦東新区のコンビニエンスストア「ローソン」店長、莫臨春さん=工藤撮影

中国式のコンビニとは何か。品数はおおむね2000あり日本の半分くらい。個人のスマートフォン決済が進んでいるため、店頭支払いサービスは日本よりは少ない。中国の物件はさまざまな形があり、立地を重視するため店内のスペースには差が出ているのだという。

実際には何が売れているのか。浦東新区の金融街の高層ビル2階にあるローソンを訪ねた。昼時のピークを過ぎた午後1時過ぎに店に入ると、夕方に向けて商品の補充に追われていた。

女性店長の莫臨春さん(26)によると、営業は朝7時から夜10時ごろ。約40平方㍍の店内に1000以上の品が並ぶ。客層は20~30代の金融関係者で、売れるのは10元(約160円)前後のデザートやコーヒー、パン。夏場はアイスだ。ヨーグルトや野菜ジュースも人気。若い世代の健康志向が反映されているようだが、他のエリアにも共通するという。

「売れ行きを見ながら毎週新商品を出しています。人気があるものを優先的に並べます」と担当者。新商品が続々と生まれるコンビニ。中国で重要なのは早さや柔軟さだ。店をじっくり定点観測するだけで社会のトレンドが読み取れそうだ。(上海支局 2019年3月)