シートリップの可能性 上海・工藤哲

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上海の虹橋空港に近い地下鉄2号線・淞虹路駅。北西に約10分歩くと、円形のビル・凌空SOHOが見えてくる。著名建築家のザハ・ハディド氏が手がけた建物の中にあるのが中国のオンライン旅行大手、携程旅行網(シートリップ)の本部だ。

公式資料によれば、シートリップは1999年に設立。インターネットを通じた簡単なチケットなどの予約が人気を集め、2003年に米ナスダック市場に上場。08年に温家宝首相(当時)が視察した。その後国内交通にとどまらず、海外旅行の予約にも進出した。従業員は約3万人。拠点は国内に95、海外に22都市あり、会員は3億人で2020年の取引額は年間1兆元と予測する。今や中国では誰もが知る中国の旅行業最大手だ。

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中国の旅行オンライン大手、携程旅行網が入居するビル・凌空SOHO=2018年10月13日、上海で工藤哲撮影

実際に中国に住んでいると便利さを実感する。今や同社のスマートフォンアプリを使えば航空券や切
符、ホテル予約にとどまらず、空港の送迎やクルーズ船旅行、旅先のガイド紹介まである。航空券を買えば搭乗時間やゲート変更の情報が逐一スマホに送られる。日本の買い物欄を見れば、高島屋や京王百貨店などの割引サービスもある。

同社に近い関係者に訪日中国人の今後のニーズを聞いてみた。しばらく考えて、こう答えた。

「日本の伝統的な祭は、見るだけではなく『参加したい』希望が増えてくるだろう。体験すれば楽しさが分かり、友達や家族も連れて行くようになる」

「中国では今『匠精神』がブームだ。中国は変化のスピードが速いので、一つのことに集中する精神がとても貴重に思える。座禅体験も魅力的だ」

「日本のアニメや漫画で取り上げられる高校野球が人気で、甲子園の熱血ぶりに共感している。生で見たい人は増えるのではないか」

マラソンや釣りにも関心を示し、こうした点も新アイデアにつながっていくのだろう。

社員の平均年齢は28歳と若い。日本での事業拡大を目指し、日本人やMBAを取得した学生の採用を進めていく予定だ。社内では、新たなビジネスモデルの提案を絶えず奨励している。

日本でもこの企業の存在感はますます高まるのだろう。新たなサービスに注目していきたい。 (上海支局 2018年12月)