シリア内戦最終章 ワシントン・会川晴之

 

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2011年から7年間続くシリアの内戦が最終章を迎えつつある。今年に入り、次々と反体制派から支配地域の奪還を続けるアサド政権軍が、ロシア、イラン軍の援軍を得て、反体制派の最後の拠点である北西部イドリブ県で総攻撃を始めたほか、イラク国境に近い北東部では、米軍とクルド人部隊が過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討戦を続ける。

アサド政権軍は今年4月には首都ダマスカス郊外の東グータ地域を奪還したほか、6月にはヨルダン国境に近い南部ダラーラを制圧した。そして、最後に残ったのがイドリブ県。9月に入り、ロシア軍の空爆を受けて進撃を開始している。

イドリブ県は現在、他の紛争地域から逃げ込んだ避難民約100万人を含めて約300万人が暮らす。本格的な戦闘が始まれば100万人近い新たな難民が発生するとして、国連や欧米諸国は政治的解決を求めているが望み薄の状態にある。

トランプ米政権は、国連主導の和平交渉を呼びかけているが、シリア駐留の米軍は北東部でIS掃討戦を続ける約2000人にとどまるため、交渉力が無いのが実情だ。トランプ大統領やボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が繰り返し「化学兵器を使えば、従来以上に強力に対処する」と警告を発するのが関の山の状態にある。

一方、ISとの戦いも最終局面を迎えている。ISは17年10月、「首都」と称していたシリア北部のラッカを米軍などの攻撃で失って以後、支配地域を大幅に減らした。現在は、シリアの約1%にとどまるが、米軍は「北東部には4000~6000人」のISが潜伏すると分析する。5月からラッカ周辺やユーフラテス川流域で残党の掃討戦を支援するクル ド人主体の「シリア民主軍」(SDF)とともに続けていたが、9月10日からは北東部で最終的な掃討戦を開始した。

シリア内戦では50万人が死亡、1100万人が家を失い、国内避難民や隣国のトルコや欧州に難民として流出した。350万人の難民が滞在中のトルコは経済状況の悪化も重なり、これ以上の難民受けいれを拒否する構えを示している。最終段階に入った内戦で、さらに混乱が拡大する可能性がある。(北米総局 2018年10月)