米朝交渉を見守るイラン ワシントン・会川晴之

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トランプ米大統領は6月12日、シンガポールで北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と史上初の会談に臨んだ。両首脳は、非核化と米国による北朝鮮の体制保証を盛り込んだ共同声明に調印したものの、非核化の時期や手法など具体策には踏み込めなかった。

米朝首脳会談の行方を注意深く見守っていた国の ひとつにイランがある。トランプ政権は今年5月、米英仏独中露とイランが2015年7月に結んだ核合意からの一方的離脱を宣言しており、北朝鮮との核問題解決にどのような態度で臨むかを注視した。

イランには、かつてから核開発の手法をめぐり国  際協調派と保守派の対立がある。いずれも、先進技術のシンボルである核開発を推進することで、「中東の大国」としてのイランを目指す立場に違いはないが、その手法が異なる。

国際協調派は、核拡散防止条約(NPT)や、国際原子力機関(IAEA)の保障措置協定などの国際的なルールを守りながら核開発を進めることで、国威発揚を目指す考えをとる。核合意をまとめたように、米国とも対話による共存を目指している。現在のロウハニ政権がその代表だ。

一方、保守派は反米意識が強い。核合意を一方的に離脱した米国を非難、厳しい制約が科されている核合意からイランも抜け出し、国際社会の批判を浴びようとも核開発を強行する構えを見せる。筆頭は、革命防衛隊だ。

イラン国内には、前者を「東京モデル」、後者を「北朝鮮モデル」と例える人も居る。「東京モデル」とは、国際的な認知のもとでウラン濃縮や再処理を手がける日本を目指そうというもの。第二次世界大戦で米国と戦った日本が戦後、外交姿勢を一変させたことで現在の地位を築いたことに注目する。

後者は、北朝鮮のように批判を浴びようともイランも核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)を取得し、その力をテコに、米国や国際社会からイランに有利な条件を引きだそうという狙いを持つ。

だが、妥結を急ぐばかりに米国が安易に北朝鮮に歩み寄れば、イランが核合意から離脱し、新たな核問題が浮上する。そんな引き金をひきかねない危うさもはらんでいる。(北米総局 2018年7月)

 

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