「意外なアイデア」続々と 上海・工藤哲

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ブースに並ぶ最新の電動器具に目を奪われた。6月に上海新国際博覧センターで開かれた家電見本市「CESアジア」。その一角で、新たなビジネスモデルを目指す中国のベンチャー企業が開発した製品を展示していた。担当者は画像や商品を見せながら、便利さや斬新さを強調している。

例えばこんな商品だ。

・ 眼鏡の脇のつるにデータ機能を内臓した「高機能眼鏡」。読書の途中で目が本に近づきすぎると、距離の近さを感知した眼鏡が作動し、振動や音声で警告し、目の負担を軽くする。目からの距離をスマートフォン画面で確認できる。光の変化を感知し、姿勢が悪い場合は注意を促す。子供向けもあり、値段は約1200元(約1万8000円)。

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家電見本市「CESアジア」のブースで展示されていた「高機能眼鏡」=上海新国際博覧センターで2019年6月12日、工藤哲撮影

・ 電動式スケートボード。リモコン操作と体の重心移動で発進、停止ができる。時速40キロまで上がり、一度の充電で25キロ走れる。2017年から売り始め、軽量化やデザインの多様化、電池の効率向上を目指している。約3000元( 約4万5000円)。

・ 薄型スマホ充電器。充電器を差し込む時、磁石でもある充電器がスマホ本体にくっつき、充電しながら持ち運べる。約200元(約3000円)。

・ 発光し、音楽が聴けてGPS機能も備える「スマートシューズ」。夜間に音楽を聴きながらジョギングでき、光が出るので安全。防水式で洗える。約400元(約6000円)。

・ 首元に計測器を内蔵した「スマート子供服」。計測部分が肌に触れることで、体温や汗、睡眠の状態などがスマホで把握できる。洗濯もでき、使用期間は1年半ほど。

「中国の場合、個人情報や安全に関する規制が日本より厳しくない部分もあり、ルールが定められていない分野なら挑戦に割と寛容な事情がある。『多産多死』の厳しい現実はあるが、こうした面も若者の旺盛な起業精神を後押ししている」と上海の日本貿易振興機構(JETRO)の関係者は話す。
実際に使ってみると、いずれも「中国式アイデア」の柔軟さが伝わってくる。「自分にもいい考えが浮かぶのでは?」。現実は甘くないのだが、そんな気にさせられた。(上海支局 2019年9月)