国民が心待ちにしている超大型連休 ジャカルタ・武内彩

ジャカルタ武内

世界最多のイスラム信徒を抱えるインドネシアで、大人も子供も心待ちにしているラマダン(断食月)明けの大祭「レバラン」が6月9日に始まった。ラマダン明けを祝うための連休で、日本のお正月のように、遠く離れた家族や親類に会いに帰省したり、ごちそうを家族で食べたり、子供たちはお年玉のようなお小遣いももらえる。

ラマダンに合わせてレバランも毎年時期がずれるが、今年は20日まで12日間の超大型連休となった。期間中、学校はもちろん官公庁や民間企業もみんな休み。政府が今年の日程を発表すると、あまりに休暇が長すぎるとインドネシア国内の経済界から苦言が出る事態となった。カレンダーを見れば6月の半分はビジネスが止まることになる。輸送機能もまひするため、日本を含め現地企業と取り引きのある外国企業にとっても大打撃だ。政府は苦言を受けて一旦は短縮する姿勢を見せたものの、結局は国民のひんしゅくを買って当初通りに戻した。

レバランに向けた準備も一大イベントで、ショッピングモールでは新しい服や靴を買いそろえる人を狙ったセールが開催される。セールはラマダン中から始まるため、日没後の食事と礼拝を終えて買い物に来られるよう午前0時まで営業するモールまである。また、近所の子供たちにも配るというお年玉用に少額紙幣の需要が高まり、銀行は臨時の両替窓口を開いて対応。政府は企業がレバランのボーナスを滞りなく支給するか監視する専用の相談窓口を開くなど、国を挙げてレバラン一色となる。

人口約2億6400万人を抱えるインドネシアでは帰省も大変。「民族大移動」とも形容され、バスや飛行機の運賃は値上がりし予約を取るのも一苦労だ。ジャカルタ特別州運輸局によると、ジャカルタからバスを利用する帰省客は450万人にのぼり、帰省用に約2700台の特別バスが準備された。一方、スカルノ・ハッタ国際空港の国内発着便は約2000便を増便した。

連休で企業の生産性は一時的には落ちるかもしれないが、経済力をつけた中間層の旺盛な消費欲は小売りやサービス業にとっては魅力だろう。みんなが帰省して、世界一ひどいとも言われるジャカルタの渋滞も緩和される。個人的には大歓迎だ。(ジャカルタ支局 2018年7月)

目次に戻る