日本では半世紀以上、国内の犬を原因とした狂犬病は発生していない。しかし、日本を一歩離れると狂犬病は依然として「脅威」として存在する。脅威の大きさを、私は過小評価すべきではないと考えている。アジアの多くの気域で、犬に咬まれるリスクは交通事故に遭う可能性とあまり変わらないか、むしろ高いかもしれない。咬んだ犬が果たして狂犬病に感染、発病しているか、実は外見では判別できないのだ。狂犬病リスクについて、ミャンマー最大都市ヤンゴンの事情を紹介したい。 【毎日アジアビジネス研究所・春日孝之】 

私は記者としてヤンゴンに駐在(2012~15年)していた当時、「毒入り御免」と題する次のようなコラムを書いた。

ミャンマーの最大都市ヤンゴンはネオンも街灯も少なく、夜道は怖い。油断は禁物。あまりにも野良犬が多いのだ。熱い日中、日陰で惰眠をむさぼる野良犬も、日が暮れるとがぜん元気になる。本当に怖いのは狂犬病の犬が紛れているからだ。

以前の支局のアパートには敷地に数十頭がたむろしていた。住民が残飯を与えていた。昼間、カメラを向けて一斉に吠えられ、肝を冷やしたことがあった。全国で年間、確認されているだけで約1000人(推定2000人)が狂犬病で命を落とす。かまれてもワクチンを接種せずに発病した場合、致死率はほぼ100%だ。

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毎日新聞社の支局があったアパート前にたむろする野良犬たち=春日撮影

敬虔な仏教国だから行政は野良犬を野放しにしているのだろう。そう思っていたが、市役所に対策室があると知った。昨年(2013年)度、ヤンゴンだけで3万5294頭を殺処分したという。強毒性の化合物ストリキニーネ入りの牛肉を路上にまく。対策室次長は「殺処分は仏教の教えに反し、ジレンマはある。誰かが市民の命を守る必要があります」と苦笑した。次長は、狂犬病が疑われるのは殺処分したうちの数百頭ほどだと言うが、「私は夜道の一人歩きはしない。昼間でも長い傘を護身用に持ち歩いています」と打ち明けた。

ただ、野良犬はなかなか減らない。市は毒入り肉の散布を事前に近隣に通知するが、愛犬家の男性支局スタッフは「野良犬を一時的に自宅にかくまう者もいる」と言う。信仰心か人命か。犬へのワクチン接種が普及するまでジレンマは続きそうだ。

(毎日新聞2014年6月12日付朝刊国際面)

こんなコラムを書いたものの、ヤンゴンに駐在した3年間と出張ベースで行き来した前後3年の計6年間、私は人が野良犬に咬まれたり、襲われた場面に出くわしたことがない。路上には至る所に野良犬がたむろしているが、殺生を戒める仏教国で、人も野良犬もうまく共存・共生しているような印象もあった。

意外に身近な狂犬病

 

先日、ヤンゴン支局の女性スタッフに「狂犬病の取材を始めた」と告げたところ、「実は最近、私も犬に足首を咬まれた」と言う。3回のワクチン接種を終えたばかりだった。ひっかき傷のようにも見えたが、「絶対にワクチンを打たないとダメだ」と知人に諭され、その日のうちにヤンゴン総合病院の救急救命センターに駆け込んだ。

彼女は、足首の創傷付近と肩の筋肉内に「免疫グロブリン」製剤の注射を受けたうえで、狂犬病、破傷風のそれぞれのワクチン接種を受けた。狂犬病ワクチンだけで処置されることも少なくないが、彼女の場合は、過去に狂犬病の予防ワクチンを接種したことがなく、傷の具合などを勘案して、免疫グロブリン製剤と破傷風ワクチンも投与されたようだ。

狂犬病は、狂犬病ウイルスによる感染症である。ワクチンは、ウイルス感染性を喪失させた不活化したウイルスを体内に注入することで抗体をつけるものだ。免疫グロブリンはウイルス抗体そのものだ。世界保健機関

(WHO)は、「暴露(咬まれた)後」の処置で狂犬病ワクチンと免疫グロブリン製剤の併用を推奨しているが、大量生産できないため高価で品薄だとされる。

支局女性は救急救命センターで「2回目のワクチン接種からはタウンシップ(地区)レベルの病院に行くように」と指示される。ヤンゴン最大の拠点病院、ヤンゴン総合病院の救急は重症患者がひっきりなしに運び込まれ、文字通り「野戦病棟」の様相を呈しているからだ。

彼女が2回目の接種で自宅に近い病院に足を運んだところ、待合室には、犬に咬まれたという30人ほどがワクチンを打ちに来ていた。「こんなに多くの人たちが日常的に犬に咬まれているのかと驚いた」と打ち明ける。

時を同じくして、ヤンゴン在住のある日本人女性も犬に咬まれ、ワクチンの世話になっていた。場所は、高級ホテル「パークロイヤル」前の路上。午後10時を回っていた。近くにあるヨガスタジオからの帰途で、あたりにはいつも10頭ほどの野良犬がたむろしている。

このうち、見慣れた野良犬の家族3頭に囲まれた。彼女は元来の「犬好き」で、当初は尻尾を振っていたので、頭をなでたりしてかまっていたが、空腹だったのか次第に様子がおかしくなってきた。「スカートを引っ張り、バッグや服を咬みだした。背中を向けたらお尻を咬まれるかもしれないと思い、身を引きかけた次の瞬間、太ももを咬まれた。もう少し、じゃれ合っていたらヤバかった」

彼女は8年前に狂犬病の予防接種を受けていたが、年数の経過とともに抗体は弱くなる(有効性は通常3~5 年間)。暴露(咬まれた)後のワクチンの追加接種は不可欠と判断、咬まれた2日後にヤンゴン総合病院で1回目のワクチンを接種した。

「ヤンゴン総合病院では医師の診察はなく、女性看護師が注射を打ってくれた。(同様のケースが多いからか) 手慣れた流れ作業のような感じだった。看護師は『毎日100人以上、犬に噛まれて接種に来ている』と話していた」

彼女はすぐに日本に一時帰国する予定があり、2回目のワクチンは日本で、3回目はヤンゴンに戻ってから接種した。「看護師との雑談で、すごい数の人が毎日、犬に咬まれていることを知り、びっくりした」と語ってくれた。

狂犬病は、いったん発病すれば「致死率はほぼ100%」。治療法はない。しかし咬まれた後に適切な医療処置を受ければ、予防接種をしていなくても命を落とすことはまずない(処置方法は確立されているが失敗例はある)。ただ、犬に咬まれるリスクやその後に何度もワクチン接種を受ける面倒さなどを考えれば、狂犬病について一定の基礎知識を頭に入れておいた方が賢明だろう。

飼い犬も野良犬と見るべし 

WHO の統計(2004年)によると、狂犬病による死者は世界で年間5万5000人。うちアジア地域は3 万1000人。冒頭のコラムで紹介したヤンゴン市役所の対策室(正確には Veterinary and Slaughter

Department)のテットワイ(Thet Wai)次長によると、ミャンマーでは年間1000人程度の死亡報告があるが、調査や統計の不備、想定される未届け分を勘案すると、実数を2000人程度と推計している。

この数字をどう見るか。ミャンマーでは近年、年間にこの倍の4000人超の人たちが交通事故で死亡(ヤンゴンではうち500人超と推計)していることを考えると、「狂犬病のリスクをことさら強調する必要はない」との意見もありそうだ。

しかし、「狂犬病には日本人的な発想では見落としがちな盲点がある」と指摘するのは、日本国内の医師や獣医師、研究者らで組織する「狂犬病臨床研究会」の佐藤克会長(佐藤獣医科)だ。その一つが「飼い犬」の概念である。

佐藤会長は「日本以外のアジアの多くの国では、野良犬であってもえさを与えていれば飼い犬だと認識されている。飼い犬だからと言われても安心はできない」と言う。2006年、フィリピンで犬に咬まれた日本人二人が日本に帰国後、狂犬病を発病して死亡した。佐藤会長は「咬まれた後にワクチンを接種していたら助かっていただろう。現場で、咬んだ犬は飼い犬だと言われて安心したのかもしれない」と指摘する。

支局女性も、咬まれたのは知人の「飼い犬」だった。えさを与えて敷地を自由に出入りさせていたというだけの飼い犬で、日本的感覚では野良犬の部類に入るだろう。

狂犬病に詳しいという、私立ヤンキン病院のトゥーマウンオン(Htoo Maung Ohn)医師(56)は「ミャンマーには、日本のような飼い犬の登録制度はない。狂犬病の予防接種の義務もなく、全くの野放し状態なので、飼い犬であっても予防接種を受けたという証明書がない限り、もっと言えば、証明書が更新されたもの(年数が経っていればあまり意味がない)でない限り、信用せずに、咬まれたら必ずワクチンを接種する必要がある」と警鐘を鳴らす。

狂犬病は基本的に犬から犬へと「伝播」する。感染後、ある期間(不定)を経て唾液中にウイルスが出てくるので、そうした犬が他の犬を咬んだり、目や鼻などの粘膜部や傷口などを舐めた場合も感染するリスクがある。アジアの多くの地域では飼い犬であっても、自宅に上がることはまずない。自宅の庭など敷地と外部に遮へいがない場合が多く、狂犬病に感染した野良犬と接触する機会は十分にあり得る。

トゥーマウンオン医師によると、身近で狂犬病を発病した人が2人いる。1人は友人の内科医の息子で、死亡した。もう一人は自分の甥である。甥は発病しながら「奇跡的に回復した1人」になったという。世界的には「狂犬病を発病して生還したのは数人」と報告されており、彼の甥の事例は含まれていない。

甥はある日、路上で子犬を拾って連れ帰り、その犬に咬まれて感染、発病したという。飼い犬だった。その犬が、拾った時にすでに感染していたか、飼い始めてから感染したかは分からない。

狂犬病に見えない狂犬の存在

 狂犬病に関して、もう一つ留意すべきは、咬んだ犬を見た目で「狂犬病かどうか」を安易に判断できないことだ。よだれを垂らして狂暴になった犬はいかにもそれらしいが、「狂犬病臨床研究会」の佐藤会長は「それは都市伝説。私が『経験した犬』でよだれを垂らした症例はない」と語る。

トゥーマウンオン医師は「ある記事で読んだのだが、ミャンマーの野良犬の50%は狂犬病ウイルスに感染している、という。感染して潜伏期間に入っており、この間に私たちが咬まれたら感染する可能性がある」と指摘する。

しかし、ヤンゴンの私立ビクトリア病院内クリニック「レオ・メディケア」で勤務する伊藤哲医師(専門・放射線)は「あり得ない」と一笑に付す。大阪大学医学部附属病院感染症制御部兼総合診療部の萩谷英大助教はミャンマーを専門に感染症研究を続けている。萩谷助教は「50%の犬が狂犬病に感染しているとなると、ミャンマーには犬がいなくなってしまう」と疑問視しつつ、こうも語る。

「ミャンマーの感染症に関しては、調査や研究が行われてこなかっただけで、分かっていないことがあまりにも多い。私は大腸菌を中心に耐性菌について研究しているが、実態は思っていた以上にヤバい。狂犬病について

(のその指摘)も本当かも、とつい思ってしまうほどだ」

「ミャンマーの野良犬の50%が狂犬病に感染している」というのは、ミャンマー人独特のリップサービスか、リスクの大きさに対し警告を込めた誇大表現だったのかもしれない。ただ、留意すべき点がある。

犬は狂犬病に感染すると、2週間から2か月(最長で半年という報告も)の潜伏期間を経て発病(発症)する。ウイルスは神経系に潜んでゆっくり脳神経への到達を目指す。「狂犬病臨床研究会」の佐藤会長によると、潜伏期間中であっても、発病する間近にならない限り唾液中にウイルスが出てこないので、人間に感染する可能性はない。

ウイルスが唾液中に出てくるのは、発病の3日~5日前(約2週間前に出たという報告も)だ。しかしこの時期、犬は見た目、普通の犬とまったく変わらない。

いったん発病した犬は、神経系を侵されるので性格や行動の変化が現れ、次いで無目的に徘徊したり、目に入るものを頻繁に噛んだり、音などの刺激に過敏に反応するようになる。その後、咀しゃく筋が麻痺して下あごや舌がだらりと垂れたりして、死に至る。発病から死ぬまで、平均数日から最長でも2週間だ。

つまり、咬まれた時にその犬が狂犬病なのか、見た目で分からなくても、その後、犬に神経症状が生じず、2 週間以内(WHO は10日間の観察でも良いとする)に死亡しなければ、狂犬病感染を心配する必要はない。

しかし問題は、咬んだ犬を特定して、観察できるとは限らないことだ。見間違う場合もあるし、集団で襲われる可能性もある。こうした状況を考えると、少なくともミャンマーで犬に咬まれた場合、ワクチンを接種した方が賢明だ。

いや、咬まれていなくても、犬から犬への「伝播」のところでも触れたように、人間に対しても舐められただけでも、唇などの粘膜部や皮膚にちょっとした傷があれば危険で、正常な皮膚部分でなければ、感染リスクがある。当然、出血を伴わない浅い擦りむきでも感染の可能性はある。犬の足のつめなどに唾液が付着していることがあるからだ。

ちなみに人間の場合、感染から発病までの潜伏期間は通常1か月~3か月だが、脳神経に近いほど短く、最短で2週間、最長で6年先という事例も報告されている。

ミャンマーで犬に咬まれないために 

さて、ミャンマー、とくにヤンゴンにはどのくらいの野良犬が生息しているのか、犬に咬まれないようにするには、どうすればいいのか――。

狂犬病撲滅に向けた有効な対策の一つは、言うまでもなく、野良犬の数を減らすことである。ヤンゴン市の対策室は、全国に野良犬は500万頭、ヤンゴンにはうち100万頭と推計している。冒頭のコラムでも紹介した通り、ヤンゴン市内だけで毎年、3万5000頭~4万頭を殺処分しているが、今もイタチごっこが続く。

ティトワイ次長は「犬は年に2回繁殖するので、殺処分しても追いつかない。また、ミャンマーでは殺生を戒めるだけでなく、むしろ犬に餌付けすることで功徳が積める、という仏教的な教えが大きなネックになっている」と語り、特に僧院が野良犬の「聖域」と化していると指摘する。

冒頭のコラムで書いた通り、かつての支局アパートの敷地(建物は数棟あった)にいた数十頭の野良犬は住民の一部が残飯を与えていた。毎夜のごとく、犬同士のけんかが起こって狂暴化し、激しい「犬騒音」をもたらした。犬はアパートの階段の踊り場などをねぐらにしていたので、夕方から早朝にかけての支局の出入りは怖かった。

えさを与える住民がいる一方で、「生活上の脅威」とみなし、市対策室に通報していた住民もいたに違いない。ある日を境に管理人が雇われ、アパート群の敷地から野良犬を排除した。それでも、えさをやる住民がいて、アパートの周囲を追い出された野良犬が徘徊し続け、根本的な解決にはならなかった。

対策室は、狂犬病に対する啓発パンフを作成、末端の行政機関や市民の手に届くよう活動している。狂犬病らしき犬が発見されれば「すぐに通報を!」と呼びかけ、野良犬がたむろしている地域に向けて「駆除」の要請をレターで出してほしいと求めており、要請があれば最優先で現場に急行するのだという。

市内を4つの地区に分け、それぞれに3人1組の駆除チームが配置されており、日曜日と満月日を除いて、毒入り肉団子を路上に散布している。インドから輸入している猛毒のストリキニーネだ。呼吸機能を麻痺させ窒息死させるのだが、体内での分解が早いため、生き延びる犬もでてくる。テットワイ次長は「犬は賢い動物なので、肉団子の危険性を学習し、仲間に教えるためなかなか厄介だ」と嘆く。

毒入り肉団子の散布は、近隣住民に告知したうえで夜間にのみ実施するが、最近は SNS が国民の間に広く浸透し、大量の野良犬が路上で死んでいる画像がアップされることがあり、市民は狂犬病の「脅威」を認識しつつも、市対策室を忌み嫌っているのが実情だ。

こうした状況の中で、私たちはどう自衛すればよいのか。市対策室のテットワイ次長は昼間でも長い傘を持ち歩いているが、「1本では不安なので、乾季でも日傘を兼ねて常時2本携行している」という。ヤンキン病院のトゥーマウンオン医師も「棒のようなものを持っていると抑止力になる。犬の方が用心して近寄ってこないからだ」と指摘する。

トゥーマウンオン医師は「犬の習性を理解し、日ごろから彼らの縄張り(テリトリー)を把握して、えさを食べている時にむやみに近づかない。子犬にもかまわない。犬は防衛的に咬むからだ。そうした日常的な用心が肝心だ」と説明する。ただし「狂犬病臨床研究会」の佐藤会長は、そうした「心構え」について「狂犬病を発症している犬には通じない」と警告する。

動物はみんな危険、その心構えこそ 

もう一つ、狂犬病で見落としがちな点は、犬以外からも感染することだ。トゥーマウンオン医師は「ミャンマーでは猫にもコウモリにも注意が必要。哺乳類なら何でも狂犬病に感染している可能性がある」と説明する。

ミャンマーで野良猫を見ることは少ないが、犬と同様、日本的な感覚で手を差し出したり、触ったりしない方がいい。コウモリはヤンゴン市街地でも至る所に生息している。パゴダの中を棲み処にしているケースもある。

「狂犬病臨床研究会」の佐藤会長によると、狂犬病の根本対策は、犬に予防ワクチンを接種し、出来るだけ多くの犬に抗体を持たせることだ。こうして「ワクチンの壁」を構築することが、人間への感染を防ぐためには重要だという。人間から人間への感染は基本的にないからだ。

日本では太平洋戦争末期、野良犬の増加とともに狂犬病が大流行したが、1950年に狂犬病予防法が制定されて対策が強化された。その結果、58年以降、狂犬病は発生していない。①飼い犬の登録②定期的な飼い犬への予防接種③野良犬の捕獲④検疫の強化――により、撲滅に成功した。このような知見はミャンマーの当局者や医師、獣医師の間でも共有されているが、行政の基本的インフラは未整備で、こうした分野で日本が支援できることもありそうだ。

以上、ヤンゴン事情ということで狂犬病リスクに触れてきたが、アジアは多くの地域が感染地となっている。年間、暴露(咬まれた)後にワクチン接種を受けるのは推計1000万人にも上っており、日々あちこちで被害が出ている。

世界最大の狂犬病大国インドの死者は年間2~3万人とされるが、医療機関に届け出義務がないため、実数はその5倍程度と推計されている。中国でも1998年以降、経済成長に伴い飼い犬が急増、狂犬病の対策は後手に回り、感染症による死亡トップが続いた。

ヤンゴンに限らない。日本的感覚で「かわいいから」と犬猫に手を出したり、撫でたり、えさを与えたりするのは、ゆめゆめ用心されたし。

◇狂犬病流行地で動物に咬まれた時の最初の処置◇

 

①    傷口を流水と石鹸で15分以上洗浄する。止血はしない。

②    エタノールまたはヨード液で消毒する。

③    出来るだけ24時間以内に医療機関でワクチンを接種する。

ワクチンの接種回数は予防ワクチンの有無や傷の深さや部位、医療機関により3~6回程度と異なる。

④    必要に応じて免疫グロブリン製剤を投与、破傷風ワクチンも接種する。

狂犬病に対しては、日本に帰国する前に現地の首都圏の拠点病院で加療するよう推奨されている。日本では免疫グロブリン製剤は製造も輸入もされていない(医師が個人輸入している場合は別)。