シリーズ「中国商務熱点」⑥

人民日報の視点 第3回中国国際輸入博覧会

オンラインで出展契約調印式――新型コロナウイルス回避で

2月26日午後、第3回中国国際輸入博覧会の初のオンライン調印会が開催され、著名企業4社が出展契約に調印した。調印済みのブースの面積は計画面積を50%上回っており、その出展者募集の進捗ペースは前2回の同期を上回っている。新華社が報じた。

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浙江省の義烏中国小商品城国際商貿城が2月24日午前9時から全面的に運営を再開。同日、義烏国際商貿城五区の輸入館インド展示エリアでインドの特色ある商品を選ぶバイヤー=人民図片・呂斌

国家エキシビションセンター(上海)輸入博覧会展覧部の周伶彦・副総経理は、「現状からして、新型コロナウイルスの感染状況が第3回中国国際輸入博覧会の企業商業展出展者募集業務に対する影響は限定的だ。例年の状況からすると、今は出展のための契約に調印する企業が集中する時期で、感染が拡大していると言ってもそれを遅らせることはできない。そのため、オンライン調印会の形式を採用した」と説明する。

医療関連企業など業務拡大

周副総理理によると、これまでに中国国際輸入博覧会は2回開催され、出展企業の収穫は大きかった。感染状況も、常連企業や新規企業の熱心な出展意向を妨げることはできないとし、「感染の発生と流行により、企業商業展の出展者募集業務には確かに一種のハードルをもたらしたが、逆にチャンスももたらしている。例えば、医療業界の関連企業は、これを機に中国市場を深く掘り下げたいと考えている。また、技術装置や自動車、消費品、食品、農産品、サービス貿易などのブースの企業の多くもこれを機に、同博覧会のプラットフォームを通して、ウイルス感染拡大による影響の埋め合わせをし、さらに業務を拡大したいと考えている」とした。

26日にオンラインで出展契約に調印したフランスのミシュラングループは同博覧会に初めて出展する。世界でトップのタイヤメーカーであるミシュランが、各種展覧会に自ら出展するの
は珍しい。しかし、前2回の同博覧会を見学し、今回出展することに決めたという。ミシュラン中国エリアの偉書傑最高経営責任者(CEO)は、「オンライン調印会は、中国国際輸入博覧会の開催者の知恵と誠意を反映している。私は第3回中国国際輸入博覧会が必ず成功裏に開催されると信じている。また、中国市場や中国経済の前途も明るいと確信している。同博覧会は、世界経済をけん引する最も有力な『武器』の一つになるだろう」との見方を示した。

セイコーエプソン初参加

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江蘇省蘇州高新区にある日系企業の晶端顕示精密電子(蘇州)有限公司で生産に追われる社員の様子=人民図片・華雪根

同博覧会に初参加となる日本の精密機器メーカー・セイコーエプソン中国エリアの深石明宏総経理は、「感染の発生と流行は中国経済に対して一定の影響を与えるものの、中国市場を30年深く掘り下げてきた経験からして、中国経済の基盤は依然として安定しており、開放、協力の姿勢、広い市場の可能性は影響を受けていない」との見方を示した。。

武田薬品工業も出展

オンライン調印会には、常連企業も参加した。例えば、日本の武田薬品工業は第1回中国国際輸入博覧会に出展したものの、買収・統合が理由で第2回には残念ながら出展できず、今年は全く新しいイメージで戻ってくる。武田薬品(中国)の単国洪総裁は、「今年の博覧会では、希少疾患、ガン、消化・神経科学などの治療の分野の強力なイノベーション能力をPRする。今後数年、当社は中国市場で15種類以上の新しい薬を発売する計画だ」と話す。

フランスのイーストメーカー・ルサッフルは第2回中国国際輸入博覧会開幕前に、早くも意向書に調印し、第3回のブースを確保した企業の一つとなった。ルサッフルの浦建菲・中華圏総裁は、「予定通り契約に調印できないのではと心配していた。でも、調印できたので準備にすぐに取り掛かることができる。当社は前2回に参加してたくさんの注文を得た。獲得感に満ちている」と話す。

現時点で、第3回中国国際輸入博覧会の調印済みのブースの面積は計画面積を50%上回っており、出展を申し込んでいる企業の数は1000社以上、出展者募集の進捗ペースは前2回の同期を上回っている。【人民日報記者・王俊嶺

 

劉軍国のミニ解説

輸入博覧会の出展契約をオンラインで結ぶ「クラウド契約」には、目を見張るものがある。すでに2回開催を成功させている輸入博覧会は「世界を買い、世界を売る」効果を示し、世界の企業のために中国市場への参入と国際協力展開のルートを切り開いた。昨年11月10日に第2回輸入博覧会が閉幕した際、すでに230社以上の企業が第3回輸入博覧会企業展への出展契約を申請したのは、まさに輸入博覧会の極めて大きな魅力によるものだろう。

新型コロナウイルスの感染が拡大する中にあって、輸入博覧会への「クラウド契約」だけでなく、「顔を合わせずに行う企業誘致」や「オンラインでの『千人の幹部の企業千社への配置』」といったオンラインサービスを、ますます多くの中国各地政府が選択するようになっている。こうしたオンラインで集中的に契約を結ぶ企業誘致モデルは、人が集まる機会を減らすとともに、効率的に資金導入協力を進め、高い効果を上げている。

感染拡大の打撃は短期的なものにすぎず、中国経済が長期的に好転するという基本条件に変わりはない。感染拡大期におけるデジタル経済の発展は、中国経済の強靭性を証明し、政府に経済発展レベルの不断の向上のために奉仕するよう呼びかけている。感染拡大の打撃に対応することは、サービスを向上させ、ビジネス環境を最適化するチャンスでもある。感染拡大を前にして、北京市では全市の金融サービス迅速反応ネットワークを構築し、外資金融機関にワンストップサービスの登記コンサルティングサービスと一括式企業サービスを提供している。また上海市の浦東では、微信(WeChat)や電話、テレビ会議などの「ポイント・ツー・ポイント」や「ライン・ツー・ライン」、「スクリーン・ツー・スクリーン」といった方法で、防疫期間中も休むことなく企業誘致を行い、サービスを提供し続け、外資重点プロジェクトの「クラウド契約」が21件締結された。日本企業にとって、中国の発展の息吹を把握することは、より良い未来を手にするうえで役立つだろう。

劉軍国 人民日報東京支局長

.png1986年山東省青州市生まれ。北京外国語大の日本学研究センターの日本社会経済コースで修士課程を修了、在学中に横浜国立大で客員研究員。2011年12月から16年1月、17年11月から現在まで日本駐在。著書の「温故創新」(日本僑報)では安倍晋三首相、福田康夫元首相、二階俊博自民党幹事長ら日本の政界・財界・学術界など各界の人々を取材し、新中国70年の発展成果などについての生の声をまとめた。