フィリピンのポテンシャルに期待

全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングス(HD)は、フィリピン最大の航空会社「フィリピン航空」(PAL)の親会社であるPALホールデングスの、株式の9・5%(9500万ドル、約105億円相当)の取得を決め、2月8日、東京のANAインターコンチネンタルホテル東京で両社の業務・資本提携式典を開いた。出席したANA・HDの片野坂真哉社長は「フィリピンはアジアでも高い成長率を維持し、日本への旅行者は過去5年で5倍に増えるなど、ポテンシャルは非常に高い」と、提携に強い期待を示した。【毎日アジアビジネス研究所、写真も】

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式典に出席した(右から)平子裕志ANA社長、片野坂真哉ANA・HD社長、マイケル・G・タンPAL・HD取締役、ハイメ・J・バウティスタPAL社長

ANAグループは2018~22年度の中期経営戦略に基づき、国際線を成長の柱と位置付け路線ネットワークの拡充を図っている。PALとは14年から、コードシェア便の運航やマイレージサービスの提携、空港業務の相互委託などで提携を図ってきたが、今回、株式の一部取得による資本提携を実施し、関係を強化することになった。

式典にはANA側から片野坂HD社長と平子裕志・ANA社長、フィリピン側からはPAL・HDを傘下に持つフィリピンのコングロマリット「ルシオタングループ」社長も務めるマイケル・G・タンPAL・HD取締役と、ハイメ・J・バウティスタPAL社長の4人が出席した。

エア以外のビジネスも追求

平子社長はPALとの資本提携について「PAL・HDからお話を受けたのがきっかけ。パートナーとしては申し分なく、フィリピンの国としての成長とPALの発展する力に資本を注入することは、非常に効果が高いと考えた」と説明。「我が社にとってアジア太平洋はまだまだ未開拓の地域。自社便に加え提携で、このエリアをしっかり充実させていきたい」と述べた。

また片野坂社長は「(フィリピンには)全日空商事が農園を持ちバナナを輸出。また地下鉄建設や空港の拡充も計画され、グループとしてエアライン以外のビジネスの可能性を追求していきたい」と意欲を示した。

一方、タン取締役は「(提携は)日本とフィリピン双方に新たな利益をもたらす。友情の精神で前進したい」。バウティスタ社長は「ANAは、まさに世界のお手本となるとなる(提携先として)ベストな会社。PALのさらなる成長や、目標である『ファイブスターエアライン』獲得への支援も期待している」と語った。

平子社長は今後、拡大させる提携分野について、現在羽田空港で行っているPALからの空港業務受託の他空港への拡大や、機内食積み込み業務の受託などを挙げた。一方、バウティスタ社長は、今後新たに成田とマニラ郊外のクラーク国際空港との間の直行便開設などを検討していることを明らかにした。

アジア最古のエアライン--フィリピン航空

ANA・HDの海外航空会社との資本提携は、ベトナム航空に次いで2社目。フィリピン航空は1941年創設とアジアで最も古い歴史を持つエアラインで、マニラ、セブ、ダバオを拠点とした国内線のほか、アジア域内外への国際線を運航。現在、日本へは東京(羽田、成田)、大阪、名古屋、福岡、札幌の5都市に週84便を運航。英国の航空サービス格付け会社「スカイトラックス」の最高評価「ファイブスター」(五つ星エアライン)の獲得を目標とし、2018年にはその一歩手前となる「フォースター」(四つ星)を初めて獲得した。(ANAは「ファイブスター」を13年から連続獲得中)