シリーズ「中国商務熱点」7

人民日報の視点 アプリで遠隔診断

全国の医師がオンラインで参加

外出せず医師にかかる

2
安徽省合肥市明光路街道コミュニティ衛生
サービスセンターで医師がライブ配信によ
り住民に防疫及び春季健康養生知識を教え
た=2020年3月23日、熊偉(人民図
片)撮影

「新型コロナウイルスによる肺炎はどのように治療するのか」「新型肺炎になったら、どのようになれば退院できるのか」。これらの問題について、武漢同済病院呼吸・クリティカルケア医学科主任医師の汪涛氏が、ネットユーザーとオンラインで交流した。

これは「良医オンライン」(好大夫在線)アプリで行われた。新型コロナウイルスによる肺炎が発生してから、「良医オンライン」は人民日報アプリ、「学習強国」アプリと協力し、21万人の医師に要請し、無料診断活動を行ってきている。

遠隔診療サービスは実際に、新型肺炎発生前から始まっていた。しかし感染対策期間中に、自宅で隔離を行い、病院の受診者が大幅に減少するといった理由により、このサービスの需要が急増した。

統計によると、「良医オンライン」の毎日の問診数は、感染発生後に約20万件と10倍も増加した。毎日20万人の患者の診察を行うことは、どの病院であっても不可能だが、オンライン病院は全国の医師資源を動員することができる。

1月22日から2月25日までの1カ月にわたり、「良医オンライン」の問診数は426万人を超えており、うち肺炎関連の相談は20%を占め、毎日平均2万人以上の医師がオンライン問診を行った。

これは特殊なケースではない。新型肺炎発生初期、微医インターネット総病院は1月23日に「新型コロナリアルタイム救助プラットフォーム」を緊急リリースした。オンライン無料診断、心理カウンセリング、便利な外来、中医薬相談、遠隔立会診察などのサービスを提供している。

3月13日10時現在、同プラットフォームのアクセス数は1億2500万件を超え、4万8581人の医師がオンライン診察を行い、延べ161万2000人に医療相談サービスを提供した。その他に微医インターネット総病院は武漢市のために、特殊な空中救援ルートを開設した。10数日にわたり現地の5万人以上にオンライン再診察、医療保険処方、自宅までの薬品の配送といった全フローのサービスを提供した。

実際に感染対策期間中、阿里健康、春雨、企鵝医生、平安好医生など10以上のインターネット医療プラットフォームの問診数が大幅に増加した。これらのオンライン製品は各自の機能を発揮し、感染症との戦いに献策し、圧力を和らげた。また自宅で隔離中の人々が積極的に感染症に対処するよう励ましもした。

中国工業・情報化部(省)のデータによると、全国の公立医療機関191軒と企業インターネット病院100軒近くが現在、感染症に関するオンライン無料診察を提供し、オフラインの病院の圧力を緩和している。同部の関連責任者によると、情報技術の「オンライン診療」「デジタル健康」分野の応用の推進に取り組み、5Gなどのインフラの医療現場における展開を拡大し、病院の情報化、医療設備のスマート化、オンラインプラットフォームの円滑化を推進しているという。

同部情報センター副センター長の李徳文氏は「オンライン相談はデジタル健康の一歩目だ。人とコンピュータの効率的なインタラクションにより、病院の初診の圧力を軽減し、利用者が合理的に病院を利用できるようになり、交差感染のリスクをある程度減らした」と述べた。

各国の医療機関支援も

感染対策期間中、遠隔診療プラットフォームは海外にも進出し、世界に向け「インターネット+医療」サービスの提供を開始した。

「私は所在都市のことを非常に心配している」。北京時間3月16日午前2時40分、「微医世界感染対策プラットフォーム」はイタリア・サルデーニャのサッサリの全科診療医から支援要請を受けた。サッサリが厳しい状況に直面し、同業者が感染対策で困惑しているというのだ。微医は武漢協和病院感染科主任医師の趙雷氏を、研修の専門家として招聘した。趙氏は感染症発生当初、感染対策の現場で奮戦し、豊富
な実戦経験を持つ。

趙氏は北京時間3月18日午後8時に遠隔動画システムを利用し、イタリアの医師に向け遠隔授業を行った。イタリアの同業者にしっかりした感染対策を指導し、最前線の診療技術、中国の臨床治療経験などの感染対策の知識を共有した。

同医師はトレーニング終了後、「趙医師と微医が私や同業者にもたらしたこれらの情報はいずれも『純金』だ」と述べた。

3月18日のライブ配信で、趙医師はイタリアと中国の同業者を支援しただけでなく、オランダやインドなど9カ国のユーザーがライブ配信を視聴した。【人民日報海外版記者・劉少華

1
中国の医師は3月17日に杭州市で、微医世界感染対策プラットフォームを使い、海外同胞に無料
オンライン相談サービスを提供し、科学的な防護方法を指導した=2020年3月17日、竜巍
(人民図片)撮影

劉軍国のミニ解説

ここ数年、中国ではインターネット経済が急速に発展しており、経済成長の原動力となっている
ほか、人々が非常に便利な生活を送ることも可能にしている。また、新型コロナウイルス感染が急
激に拡大したのを機に、数年前に誕生していた「インターネット+医療」の活用が一気に広がった。
「インターネット+医療」は、患者が病院に行って診察を受けた場合に起きる院内感染のリスクを低
減するだけでなく、病院に来る患者を分流させ、軽症患者のスクリーニングを行うための助けにも
なる。

統計によると、2018年、中国の「インターネット+医療」市場の規模は490億元以上(1元
=約15・23円)で、2011~18年、「インターネット+医療」市場規模の年平均成長率(C
AGR)は38・4%にも達した。2020年には、市場規模が1000億元を突破すると予想さ
れている。また、日本も現在、新型コロナウイルス感染拡大防止策の一環として、「インターネッ
ト+医療」導入を試みている。

中日両国は経済・社会の相互補完性が強く、協力の前途は明るい。「インターネット+医療」
は、両国の協力ポテンシャルが非常に大きい分野となるかもしれない。さしあたっては、中国が新
型コロナウイルス感染拡大防止策として「インターネット+医療」を活用した経験を日本が参考にす
ることもできる。その一方で、中国市場は継続的に開放が進み、ビジネス環境が整備されつつある
ため、日本のインターネット企業や医療業界にとっては、中国での「インターネット+医療」業務展
開が大きなプラス材料となる。

劉軍国 人民日報東京支局長

.png1986年山東省青州市生まれ。北京外国語大の日本学研究センターの日本社会経済コースで修士課程を修了、在学中に横浜国立大で客員研究員。2011年12月から16年1月、17年11月から現在まで日本駐在。著書の「温故創新」(日本僑報)では安倍晋三首相、福田康夫元首相、二階俊博自民党幹事長ら日本の政界・財界・学術界など各界の人々を取材し、新中国70年の発展成果などについての生の声をまとめた。