每日新闻亚洲商务报告--创新经济专栏

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陳言=ジャーナリスト、日本企業(中国)研究院執行院長
1960年北京生まれ。82年南京大学卒。82-89年『経済日報』に勤務。89-99年、東京大学(ジャーナリズム)、慶応大学(経済学)に留学。99-2003年萩国際大学教授。03-10年経済日報月刊『経済』主筆。10年から日本企業(中国)研究院執行院長。今年1月から「人民中国」副総編集長も務める。

米国ビジネス雑誌「Fast Company」はこのほど、2019年版「世界で最も創新能力を備えている企業ランキング」を発表した。このランキングは数十人のスタッフが世界中の企業数千社を調査した後、経済および産業、さらに文化に対して大きな影響力があるかどうかについて、現在、世界で最も創新能力を備えている企業をランクアップしたものだ。

日本の大多数の読者は想像もつかなかっただろうが、同誌が1位に選んだのは、中国のテクノロジー企業「美団点評」(Meituan Dianping)社だ。「美団点評」は日本の「ぐるなび」によく似ている。ここで中日両国の類似の企業、両国企業のビジネス行動の特長を比較すれば、中国企業の創新に対する理解を深められるのではないだろうか。

超巨大市場と企業の高速成長

日本ではほとんど知られていないが、「美団点評」は「美団」と「大衆点評」が15年10月8日に合併して発足した企業。正式な名称は「美団大衆点評」だ。

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ホテルに置かれた美団点評の端末=湖南省長沙で筆者撮影

日本の「ぐるなび」の前身、「株式会社交通アド」社が設立されたのは1989年10月2日。「美団点評」はそれに比べればまったく遅れて設立された企業だ。もちろん「美団点評」は中国初のレストラン予約サイトではない。その前には2003年に「北京青年報」などが参加したレストラン予約サービスの「飯統網」がスタートした。「飯統網」は、華々しく輝いた時代には中国のマーケットの大部分を牛耳っていたが、最終的には経営不振に陥り、14年4月に倒産した。日本では「ぐるなび」に似たサイトや携帯アプリは存在するが。「ぐるなび」自身は存続している。

「Fast Company」が発表したデータから経営内容や規模を見ると、19年現在、「美団点評」の業務内容は飲食、ホテル、映画チケットの予約で、2800都市の3億5000万人にサービスを提供。同年1年間の取引額は338億ドルに達している。「毎秒1783件の取引があり、ユーザーは毎週平均3回利用している」と、この雑誌は紹介している。ユーザー数は巨大で使用頻度は高い。

この話題を取り上げたのは、「ぐるなび」と比較できるからだ。「ぐるなび」の17年の売上総額は369億円(約3億3000万ドル)で、「美団点評」の1%前後だった。日本の飲食や宿泊の価格が中国よりも高いことを考慮すると、「美団点評」が消費者に及ぼしている影響はずっと強大だといえる。

業務内容から見ると、筆者の「ぐるなび」に関する知識では、「ぐるなび」は映画チケットの予約(日本人が毎年見る映画の本数は中国人とは比較にならないほど少ない)を行っていないが、その他は「美団点評」とほとんど同じだ。しかし、市場の巨大さ、利用者の数は比べものにならない。

こうした条件が「美団点評」にうなぎ上りの急成長をもたらした。「ぐるなび」は30年かけて売上3億ドルを達成したが、「美団点評」は設立から4年で取引額338億ドルに達した。「ぐるなび」が08年に上場した時は、すでに20年の歴史があった。一方、「美団点評」は昨年上場したが、設立からわずか3年だった。

巨大市場を背景に、中国の創新企業は一度、チャンスを見つけると、その発展スピードが速いだけでなく、上場で獲得した資本的な支持、金融面の支持を通じて、さらに事業を拡大できる。これが中国企業の技術革新の重要な特長だ。

創新企業は「一将功成りて万骨枯る」

今年3月5日、李克強首相は全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告の中で、「大衆創業、万衆創新はさらに深化し、1日平均1万8000社以上が新設され、市場本体の総量は1億社を超えている」と語り、中国の創新の特徴を強調した。中国創新市場を観察すると、ここ数年、企業は雨後のタケノコのように誕生しているが、また大量の企業が倒産していることも事実である。

「美団点評」が創新企業として成功したことと、過去に企業が倒産したことと無関係ではない。前述した「飯統網」がその好例だ。

「飯統網」を振り返ってみて、筆者はいまだにこのネット企業に経営上の大きな瑕疵(かし)があったとは思えず、多くの点で「美団点評」よりも賢明だったとさえ思う。例えば、自らのメディア関連のメリットがあり、全面提携企業、一部提携企業には「北京青年報」、中国網通天天在線、騰訊(テンセント)、中公網、中国産経信息網などの強力な企業が含まれる。

時代背景から見ると、「飯統網」は03年に北京で設立され、中国初のレストラン予約無料サービス提供、飲食優待割引無料サービス提供を行なう中国初のオンライン飲食総合サービス企業として、中国の何億人もの消費者に質の高い飲食予約サービスを提供し、中国の飲食業界に新たなファッションを打ち立てた。後に、中国の主要60都市をカバーし、毎日多くの消費者にオンライン予約を含む無料予約サービスを提供した。

突然の倒産は誰しも思いも寄らなかった。もちろん、直接的には、資金繰りが苦しくなり、株権紛争が倒産を招いたのだが、根底に横たわっていた原因は経営モデルだった。「団購」(共同購入)がブームの時には「団購」で稼ぎ、アプリが盛んになったら、独自のアプリを作り出す。「飯統網」独自の創新はなく、他社に追随して逆風に遭い、最終的に経営、業績不振でみじめに淘汰された。

さらに重要な点は中国のインターネット世界では早い者勝ちだということだろう。「飯統網」はライバルに比べて、鋭敏さに欠け、大胆さがなく、執行力がないなどのさまざまな要素が重なり、最終的に市場から去っていった。

しかも、「飯統網」が市場から撤退すると、「美団点評」は市場シェアを容易に拡大し、「飯統網」消滅後は、直ちに、その代わりとして急速に発展し、規模を拡大させ、新たなネット企業に成長した。

陳言コラム
「美団点評」のホームページ

現在、「美団点評」は戦略的に「Food+Platform」に焦点を合わせ、食を中心にユーザープラットフォームを構築し、「店に行く」「家に行く」を2大事業群としている。また、新事業では「快驢(速いロバ)事業部」と「小象(小さいゾウ)事業部」が業務開発を継続し、それぞれチェーンサービス業と生鮮食品販売業で新サービスを開拓している。上場後、組織のフレームワーク調整を行ない、創新の活力を保持している。

「Fast Company」が「美団点評」を1位にランクインさせたのは決して偶然ではない。中国の国内体制は迅速に保守的な企業を淘汰し、創新企業が市場で生き延びられるようになっている。中日両国の企業は異なる市場に直面しており、経営の規模、速度、発展ぶりも、大きな相違点だ。