$gb_{CBC9CFC2BAE1CEB2D1DDBDB2}2018年10月26日、安倍晋三首相の7年ぶりとなる中国への公式訪問の翌日、ソニーと百度(バイドゥ)ネットワーク科学技術公司は「次世代車内空間の戦略的提携に関する基本的コンセンサス」に調印した。同日、パナソニックと百度の新世代自動車領域での提携に関するニュースが中国で話題になった。筆者がパナソニックチャイナの横尾定顕会長から得た情報では、同社は百度が現在、研究開発中の自動運転技術に対して、関連設備を提供するということだった。

$gb_{B0D9B6C8A4CED7D484D3DF5CDC9E}
百度の自動運転

百度はインターネット検索エンジンの外に、当面の最大の業務は自動運転技術の研究開発である。パナソニックおよびソニーと百度の提携は、当然のパートナー選びであり、日本企業にとっては、今後、中国で自動運転における業務を幅広く開拓して行くうえで、この提携によって非常に大きな保証を手に入れたことを意味している。

李彦宏百度CEOに交通違反切符

枚の交通違反切符に中国のすべてのメディアが関心を示した。

2017年8月、百度世界大会が北京で開催された際に、百度の李彦宏ロビン・リー最高経営責任者(CEO)は自動運転の乗用車に乗って、15キロ離れた場所から会場に向かった。

メディアの報道によると、自動運転車が会場に到着する少し前、警察はこの車を停車させ、その場で200元(約3千円)の違反切符を切った。車内の李CEOは喜んで切符を受け取り、会場に入り、自動運転に関する講演を行った。

メディアでこのエピソードを聞いた時、筆者がまず感じたのは、百度は工夫を凝らして自社の自動運転技術を売り込んだということだった。北京には自動運転に対する特別な制限は全くないので、順調に乗用車をキロ運転して停車した。これを解説的に言えば、200元の罰金がどうという問題ではなく、李氏自身が違反切符を切られたということがニュースとなったということである。しかし、このニュースの背後には、自動運転の新技術が隠されていた。大衆が喜ぶニュースを作っただけでなく、科学技術の成果をデビューさせたことに、すべてのメディアが関心を示したのである。200元で百度は自動運転について前代未聞の宣伝を行ったということである警察は無人運転と知って、数カ月後に200元の罰金を通知したという説もある。

「もし、無人運転の罰金がすぐにきたとすれば、無人運転自動車の量産はまだ先のことかと思うかも知れない」と李氏は語る。交通違反切符と自動運転の関係は非常にはっきりしている。

日本と比べて、中国の自動運転技術はもっと実践的であり、路上で無人運転車を目にする。大通りで無人運転の輸送車を見ても、中国ではすでにもう目新しいことではなく、一切はほとんどが筋道に沿って順調に進んでいるようだ。

百度はアポロで自社システム構築へ

$gb_{A5A2A5C3A5DDA5EDE976DF42A4CE8EDAB8E6}百度世界大会が開かれる前の17年4月19日、百度は「アポロ」と命名したプラットフォームを発表した。これは自動車産業、自動運転領域での提携パートナーにソフトウェアを提供するプラットフォームである。日本の各メーカーが他社と戦うために自動運転技術の研究開発をしているのとは違い、また米国のグーグルが自動運転の面で地図を先行させているのと異なり、百度は自動車産業、自動運転の領域の提携パートナーに、開放的で完全なソフトウェアプラットフォームを提供し、彼らを支援して、車両とハードウェアシステムを結びつけて、早急に完全な自社の自動運転システムを立ち上げようとしているのだ。

このプラットフォームは車両プラットフォーム、ハードウェアプラットフォーム、ソフトウェアプラットフォーム、クラウドデータサービスの4分野からなっている。パナソニックとソニーはこのプラットフォームに参加することによって、プラットフォームを通して中国の自動車企業と自動車部品技術について協議し、関連ソフトウェアを中国企業に販売することができる。また、百度との提携を通じて、すべての中国の自動車企業と提携のルートを開くことができる。さらにどのようにこのプラットフォームで中国企業と交流するかを検討し、日本のハード生産能力、ソフト技術開発を中国市場の需要とリンクさせることができる。

百度グループの陸奇理事長兼最高執行責任者(COO)はかつて次のように述べた。「能力の開放はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)あるいはSDK(   )の標準公開方式を通じて百度が提供できる能力を基礎にし、コードの開放は通常の伝統的なオリジナルソフトウェアの開放と同様、コードを公開し、みんなが運用でき、いっしょに開発に参加できる。私たちの開放範囲には、感知システム、経路計画、車両コントロールシステムなどの重要な構成部分を含む」

開放の程度と規模からみて、百度は現在、日本企業の開発、グーグルの研究開発に比べて先行している。このような開放パターンは、中国の情報技術(IT)企業の一貫した手法である。

技術が先、政策は後

法的規制が先行する中で、自動運転における研究開発を推進するのは、日本の主な企業のやり方に違いないが、政策が策定される時点には、将来を予見することができず、すべての変化に対応することはできない。日本企業が選択できるのは、狭い範囲で関連する実験を行い、忍耐強く政策に変化が起きるのを待つことである。

法律執行面で中国にはより多くのフレキシビリティーがある。自動運転は決して、政策が予見し得る技術ではない。しかし、企業は関連政策、法整備が不十分だからといって、実験を放棄したり、規模を縮小したりすることはない。李氏が自動運転車で大会会場に乗り込んだように、交通違反切符を切られた後、罰金を取られることに怒るのではなく、メディアの関心を通じて、政策の変更を求めるやり方である。

17年12月17日、中国は自動運転関連の法律・法規の空白部分を埋める法整備に着手した。北京市交通委員会はガイドラインを発表し、規定に適合した自動運転自動車が正式に路上に現れた。

北京市の自動運転に関する新しい規定は次の通りである。

①臨時の路上走行を申請できる。②自動、手動の2種の運転パターンを備えなければならない。③自動運転車両にはドライバーが乗っていなければならない。④監督・管理装置を配備し、随時、ドライバーの運転行為を観測できなければならない。⑤指定区域では、また、指定時間帯には、随意に運転できない。⑥交通事故が発生した場合は、テストドライバーが責任を負う。

法規定はかなり厳しいというべきだが、その前提は自動運転の研究開発の自由化であり、自動運転は北京で急速な展開が可能になっている。北京で関連法規が施行されると、中国の他の場所でも直ちに関連法規が普及し、自動運転が中国で急速に展開する余地がある。

雄安新区は自動運転の実験と実践の場

北京を除いて、自動運転は中国のどの都市で最も関心を持たれているか?

答えは河北省・雄安新区である。

雄安についてはこのコラムでも紹介したことがあるが、今回は自動運転に焦点を合わせて、雄安方式を紹介したい。

2017年、百度、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント、BAT)のIT大手3社が同時に雄安に進出した。百度の雄安における最大の業務は自動運転である。

百度アポロプラットフォーム上には中国のほとんどすべての自動車企業が含まれ、雄安で取り組んでいるのは自動運転である。雄安新区も、例えば、スマート交通システムの構築、渋滞現象の根絶などのタイムリーな関連政策を打ち出している。スマート交通システムの中の重要部分が自動運転ある。雄安新区を見ると、「国家意志+全新区+最強の科学技術陣容」が、斬新な交通システムを体験できる重要な実践の場であることが分かる。

$gb_{B4F3BBE1A5B9A5AFA5EAA960A5F3A4CBD3B3A4C3A4C6A4A4A4BFC0EED1E5BAEA}CEO{A4CED7D484D3DF5CDC9EA4CEBBADCFF1}
大会スクリーンに映っていた李彦宏CEOの自動運転の画像

自動運転、スマート交通、交通渋滞ゼロは、雄安新区を中国の初のハイテクイノベーション、人工知能(AI)ボーナス、自動車交通産業のウインウイン都市にする。新産業の到来は雄安に新たな魅力を加えるだろう。

パナソニック、ソニー、日立が業務強化

これまで中国に進出している日本企業が自分たちのやり方でやりたがり、自らのサークルで業務を行なってきたのとは違って、自動運転技術では、日本企業は中国企業と提携する態度を明確に示し、かなり早い段階で百度アポロプラットフォーム上に顔を見せた。

パナソニック、ソニーだけでなく、日立も中国で自動車部品関連の業務を強化することは、関連プラットフォームと戦略的パートナー関係を樹立し、今後の業務拡大に重要な意味がある。中国市場との関係では、関連プラットフォームによって、ますます緊密化して行くだろう。日本企業は今回、チャンスをしっかりつかんでいるのは、これまでのやり方と大いに異なって、積極的な姿勢を示している。

$gb_{B5DAC8FDB9FA8566C1A6A3A89AB0C8D5D0C2C284A4CED39BD5DFA4CFC8A1B2C4A4B7A4C6A4A4A4EBA4CFA4BAA3A9}

◎陳言氏

images[10]ジャーナリスト、日本企業(中国)研究院執行院長

1960年、北京生まれ。1982年、南京大学卒。82-89年『経済日報』に勤務。89-99年、東京大学(ジャーナリズム)、慶応大学(経済学)に留学。99-2003年萩国際大学教授。03-10年経済日報月刊『経済』主筆。10年から日本企業(中国)研究院執行院長。